早歩きできる80代は脳も元気?「スーパームーバー」に学ぶ、今日からの歩き方

80歳からも元気に歩く高齢者夫婦と、歩行と脳の健康の関係を表したイメージ 健康づくり・生活習慣
歩く速さは、体力だけでなく脳の健康とも関係しています。無理のない範囲で「少し速く歩く」習慣を。

「最近、歩くの遅くなった気がするなぁ」

こんなこと、ありませんか?

年齢を重ねれば、多少ゆっくりになるのは自然なことです。

でも最近、ちょっと面白い研究が出ています。

80歳を超えても、かなり速く歩ける人は、記憶や考える力も保たれている傾向がある。

そんな人たちを研究者は「スーパームーバー」と呼んでいます。

まじで名前からして強そうですよね。

ただ、大事なのは「80歳になったら猛スピードで歩け」という話ではありません。

40代、50代、60代の今から、

自分なりに少しテンポよく歩く習慣を残しておく。

ここが今回いちばん伝えたいところです。

そもそも「スーパームーバー」って何?

スーパームーバーとは、80歳以上になっても、同じ年代の人よりかなり速く歩ける人のことです。

研究では、年齢と性別を考慮した平均歩行速度より1.5標準偏差以上速い人がスーパームーバーとされました。

約4,000人を調べた研究では、スーパームーバーは358人。

そして、この人たちは一般的な同年代の人と比べて、新たに認知機能障害を起こすリスクが約51%低いという結果でした。

ここ、勘違いしやすいです。

「早歩きすれば認知症が51%防げる」という意味ではありません。

歩く速さと脳の健康との間に、かなり興味深い関係が見つかった。

そう考えるのがちょうどいいです。

なぜ「歩く速さ」が脳と関係するの?

歩くって、実はかなり複雑です。

足を前へ出す。

姿勢を保つ。

人や段差を避ける。

どこへ向かうか考える。

これをほぼ同時にやっています。

つまり、歩くためには脚だけではなく、脳、神経、筋肉、バランス感覚などが一緒に働くわけさ。

だから歩く速さは、単なる「脚力テスト」ではありません。

体全体の元気さを見るひとつのサインとも考えられます。

記憶を支える「海馬」にも違いが

今回の研究では、速く歩ける人たちは認知機能の低下がゆるやかで、記憶に深く関わる「海馬」の大きさも比較的保たれていました。

海馬は、新しいことを覚えたり、出来事を記憶したりするときに大切なところです。

だから、

「歩くことは足腰だけの話じゃないんだな」

これくらい覚えておけば十分です。

じゃあ、速く歩けば歩くほどいいの?

ここは、ぶっちゃけ違います。

無理して速度を上げる必要はありません。

米CDCでは、65歳以上の人に対して、速歩きなどの中強度運動を週150分程度行うことをひとつの目安にしています。

たとえば、

30分×週5日。

これで150分です。

でも最初から30分じゃなくていい。

5分でもいい。

10分でもいい。

まずは「いつもの歩き+ちょっとだけ速く」

僕なら、こんな感じから始めます。

いつものペースで3分。

少しテンポを上げて1〜2分。

また普通に戻す。

これを繰り返す。

横断歩道まで少し速く。

スーパーまでの最後の5分だけ少し速く。

その程度でもいいんです。

ゼロよりずっといい。

十分な運動量が難しい人も、その人の体力や体調に合わせて少しずつ動くことが大切です。

高齢者は「速度」より安全を優先

ここは大事です。

転びそうなのに無理して早歩きをする。

これは本末転倒です。

こんな人は普通のウォーキングから

・最近よくつまずく
・ふらつきがある
・膝や腰がかなり痛い
・長く歩くと息苦しい
・運動をほとんどしていない

こういう場合は、いきなりスピードを上げなくて大丈夫。

まず普通に歩く。

慣れてきたら少しだけ速くする。

それで十分です。

胸の痛み、強い息苦しさ、めまいなどが出た場合は運動を中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。

介護予防でも「速く歩ける体」は大切

介護予防を考えるとき、僕は歩くことをかなり大事にしています。

歩ければ買い物に行ける。

友達に会える。

病院にも行ける。

旅行にも行ける。

つまり、

歩く力が残ると、生活そのものが広がる。

ここなんですよね。

速く歩くことだけを目標にする必要はありません。

「去年より歩かなくなったな」

「最近、外へ出なくなったな」

そんな変化に早く気づくことのほうが大切です。

続けるコツは「運動するぞ!」と思わないこと

毎日30分ウォーキング!

そう決めると、最初はいいんです。

でも雨が降る。

暑い。

予定が入る。

そのうち面倒になる。

あるあるです。

だから最初から小さくします。

「○○したら歩く」と決める

・朝食を食べたら5分歩く
・買い物に行ったら店内を少し多めに歩く
・夕食前に家の周りを1周する
・テレビを見る前に5分歩く

こんな感じ。

「時間があったら歩こう」だと、だいたい時間は現れません。

先にきっかけを決める。

そのほうが続きやすいです。

そして全部できなくてもいい。

今日は5分。

明日は10分。

それで十分。

健康づくりって、本当はこういう小さな積み重ねなんだと思います。

まとめ|80歳になっても颯爽と歩ける体を、今から少しずつ

今回の研究で分かったのは、80歳を超えても速く歩ける「スーパームーバー」は、同年代の人より認知機能障害を起こしにくく、認知機能の低下もゆるやかな傾向があったということです。

だからといって、今日から必死に早歩きをする必要はありません。

いつもの歩きより、ほんの少しテンポよく。

まず5分でもいい。

その積み重ねが、5年後、10年後の「歩ける体」をつくっていきます。

80歳になった自分がスタスタ歩いていたら。

ちょっとカッコいいですよね。

その準備、今日から始めてみませんか。

「最近、歩くのが遅くなった」が気になったら

「運動したほうがいいのは分かっている。でも何をすればいいか分からない」

そんな方こそ、一人で難しく考えなくて大丈夫です。

Well Aging Support やわらぎでは、体力や生活に合わせて、無理なく続けられる運動や介護予防の方法を一緒に考えています。

速く歩くことが目的ではありません。

これからも、自分の足で行きたいところへ行けること。

そこを大切にしています。

「自分にはどんな運動が合う?」
「親の歩く速度が落ちてきて心配」
「何歳から始めても大丈夫?」

そんな相談からでも大丈夫です。

お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

今日の5分が、これからの10年を支える一歩になるかもしれません。

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