血圧を測ったとき、つい「上の血圧が高いかどうか」だけを見ていませんか。
もちろん上の血圧も大切です。
でも、実は上の血圧と下の血圧の差にも、体の状態を知るヒントがあります。
この差は脈圧と呼ばれます。
脈圧は、血管のしなやかさや心臓への負担を考えるうえで、参考になる数字です。
怖がりすぎる必要はありません。
大切なのは、1回の数字で一喜一憂することではなく、家庭で落ち着いて測り、変化に気づくことです。

血圧の「上」と「下」とは?
血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管の壁を押す力のことです。
血圧には、主に2つの数字があります。
上の血圧とは
上の血圧は、正式には収縮期血圧といいます。
心臓がぎゅっと縮んで、血液を全身に送り出すときの圧力です。

下の血圧とは
下の血圧は、正式には拡張期血圧といいます。
心臓がふくらみ、次に送り出す血液をためているときの圧力です。
厚生労働省の情報でも、血圧は心臓の収縮に伴って変動し、最大となる値を収縮期血圧、最小となる値を拡張期血圧として示すと説明されています。

血圧の上と下の差「脈圧」とは?
脈圧は、次の式で計算できます。
脈圧 = 上の血圧 - 下の血圧
たとえば、血圧が140/90mmHgなら、
140 − 90 = 50mmHg
この場合、脈圧は50mmHgです。
脈圧は、血管のしなやかさを考える目安になります。
血管が硬くなると、血液を受け止めるクッションの働きが弱くなり、上の血圧が高くなりやすくなります。
その結果、上と下の差が大きくなることがあります。
Medical DOCの医師監修記事では、脈圧の理想的な目安はおおよそ40〜50mmHg前後、60mmHg以上が続く場合は注意とされています。
脈圧の目安はどのくらい?
目安としては、次のように考えるとわかりやすいです。
40〜50mmHg前後
一般的に、脈圧の目安とされる範囲です。
ただし、年齢、体格、持病、薬の有無によっても意味は変わります。
数字だけで自己判断しすぎないことが大切です。
60mmHg以上が続く場合
脈圧が広い状態です。
動脈硬化、つまり血管が硬くなっている可能性が考えられます。
特に、家庭で何日も続いている場合は、内科や循環器内科で相談すると安心です。

30mmHg未満が続く場合
脈圧が狭い状態です。
心臓のポンプ機能や、心臓の弁の病気などが関係する場合もあります。
息切れ、動悸、むくみ、強いだるさがある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
脈圧が広がると何が心配?
脈圧が広がる背景には、血管の硬さが関係することがあります。
血管が硬くなると、心臓は血液を送り出すために、より大きな力を使う必要があります。
その状態が長く続くと、心臓や脳の血管に負担がかかりやすくなります。
厚生労働省のスマート・ライフ・プロジェクトでは、高血圧が続くと血管が厚く硬くなり、動脈硬化が進み、脳卒中や心疾患などの循環器病につながりやすいと説明されています。確認日:2026年6月7日。
また、研究でも、脈圧の上昇は動脈の硬さや循環器病リスクと関連することが報告されています。
家庭でできる血圧チェックの方法
血圧は、緊張、睡眠不足、食事、入浴、飲酒、運動後などで変わります。
だからこそ、同じ条件で測ることが大切です。
おすすめの測り方
朝と夜の1日2回を目安にします。
朝は、起床後1時間以内、排尿後、朝食前、薬を飲む前が目安です。
夜は、就寝前が目安です。

座って1〜2分休んでから測りましょう。
測っている間は話さず、腕帯は心臓の高さに合わせます。
日本高血圧学会の一般向け解説冊子では、家庭血圧は朝と夜の1日2回、座位で測定し、測った値はすべて血圧手帳などに記録することがすすめられています。
今日からできる血管を守る生活習慣
脈圧だけを直接下げようとするより、血圧全体と血管の健康を整えることが大切です。
1日10分のウォーキングから始める
いきなり長時間歩かなくて大丈夫です。
まずは、食後や夕方に10分歩く。
慣れてきたら、1回10分を1日2回に増やす。
習慣的な運動は血圧低下に役立つとされ、厚生労働省のe-ヘルスネットでは、習慣的な運動により収縮期血圧が2〜5mmHg、拡張期血圧が1〜4mmHg低下する効果があると紹介されています。
減塩は「少し残す」からでいい
ラーメンやうどんの汁を全部飲まない。
漬物を毎食ではなく、量を少なめにする。
しょうゆをかける前に、一口食べてみる。
このくらいなら始めやすいです。
家族の声かけは「注意」より「一緒に」
血圧が気になる家族に、いきなり
「塩分を減らして」
「運動しなさい」
と言うと、反発されることがあります。
おすすめは、
「一緒に5分だけ歩こうか」
「今日の血圧、メモしておこうか」
「汁は少し残してみる?」
このような声かけです。
人は、責められるよりも、選べる形にすると行動しやすくなります。
完璧を目指すより、続けやすい形にすることが大切です。
受診を考えたいサイン
次のような場合は、自己判断せず医療機関に相談しましょう。
・脈圧が60mmHg以上の日が続く
・脈圧が30mmHg未満の日が続く
・上の血圧が家庭で135mmHg以上、または下が85mmHg以上の日が続く
・胸の痛み、息切れ、動悸、むくみ、強いだるさがある
・急に血圧の数字が変わった
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、高血圧の診断基準として、診察室血圧は140/90mmHg以上、家庭血圧はそれより低い基準が用いられると説明されています。
まとめ
血圧は、上の数字だけでなく、下の数字との差にも体からのサインが隠れていることがあります。
脈圧の目安は、一般的に40〜50mmHg前後。
60mmHg以上が続く場合や、30mmHg未満が続く場合は、医療機関に相談すると安心です。
ただし、1回の測定だけで判断する必要はありません。
大切なのは、家庭で同じ条件で測り、記録を続けることです。
そして、血管を守る生活は特別なことではありません。
少し歩く。
汁を少し残す。
睡眠を整える。
血圧をメモする。
この小さな積み重ねが、将来の体力や生活の質を守る一歩になります。
最近、体力の低下や血圧、親の健康づくりが気になり始めた方へ。
Well Aging Support やわらぎでは、京都市周辺で、無理なく続けられる介護予防・健康づくりの方法を一緒に考えています。
「まだ相談するほどではないかな」と思う段階でも大丈夫です。
個人の健康づくり、ご家族のサポート、施設や地域団体での介護予防教室など、今の状態に合わせてやさしくご相談いただけます。
まずは、できることを一緒に整理してみませんか。


コメント