熱中症予防は水だけで大丈夫?高齢者が知っておきたい水分・塩分補給

夏の屋外で水分補給をする高齢の男女と、「水分補給で守る 夏の元気」の文字が入った熱中症予防の画像。 健康づくり・生活習慣
喉が渇く前の水分補給と、早めの暑さ対策で夏を元気に過ごしましょう。

暑い日に「水だけでは熱中症を防げない」と聞くと、不安になる方もいるかもしれません。

結論からいうと、普段の生活でこまめに飲む水分は、水でも大丈夫です。

ただし、たくさん汗をかいたときや、めまい、頭痛、吐き気などがあるときは、水分と一緒に失われた塩分も補う必要があります。

大切なのは、飲み物を一つに決めることではありません。体調や汗の量に合わせて使い分けることです。

熱中症は室内でも起こります

熱中症は、暑さによって身体の水分や塩分のバランスが崩れ、体温をうまく調節できなくなった状態です。

屋外だけでなく、室内で静かに過ごしているときにも起こります。

消防庁によると、2025年5月から9月に熱中症で救急搬送された人は10万510人でした。そのうち約57%が65歳以上で、発生場所は住居が約38%と最も多くなっています。

高齢になると、暑さや喉の渇きを感じにくくなります。そのため、「まだ大丈夫」と思っているうちに脱水が進むことがあります。

体調を崩すと歩く機会や人と交流する機会が減り、体力や生活の質が低下するきっかけにもなります。

「水だけではダメ」は本当?

普段の水分補給は水でも大丈夫

日常生活で大量の汗をかいていない場合は、水や麦茶などでこまめに水分を補給できます。

食事をきちんと取れていれば、塩分やミネラルの多くは食事から補えます。

そのため、汗をほとんどかいていない人が、毎回スポーツドリンクや経口補水液を飲む必要はありません。

糖分や塩分の取りすぎにつながる場合もあるため、飲み物は体調に合わせて選びましょう。

大量に汗をかいたときは塩分も補う

長時間の運動や屋外作業、暑い場所での活動によって大量に汗をかいた場合は、水分だけでなく塩分も失われます。

このようなときは、塩分を含む飲み物や食べ物を利用します。

例えば、スポーツドリンク、塩分を含むスープ、梅干しや塩昆布を少量添えた食事などです。

ただし、高血圧、心臓病、腎臓病などで塩分や水分を制限されている方は、自己判断で増やさず、かかりつけ医の指示を優先してください。

経口補水液は普段飲むものではありません

経口補水液は、水分とナトリウムなどを吸収しやすい割合で含んだ飲み物です。

熱中症などで脱水状態になったときに役立つことがありますが、健康な人が日常の水分補給として飲み続けるものではありません。

一般的なスポーツドリンクよりもナトリウムやカリウムが多く、日常的に大量に飲むと、血圧や心臓、腎臓に負担がかかる可能性があります。

商品によって用途が異なるため、表示を確認しましょう。持病がある方は、医師や薬剤師に相談しておくと安心です。

今日からできる熱中症予防

飲む時間を先に決める

「喉が渇いたら飲む」だけでは、高齢者は飲み忘れることがあります。

次のように、普段の行動と水分補給をセットにしましょう。

・朝起きたとき
・朝食、昼食、夕食のとき
・外出する前と帰宅した後
・運動や入浴の前後
・薬を飲むとき
・就寝前

環境省は、高齢者の飲み水として1日約1.2リットルを一つの目安にしています。コップ約6杯分です。

ただし、食事に含まれる水分や体格、活動量、持病によって必要量は変わります。水分制限がある方は、必ず医師の指示に従ってください。

温度だけでなく湿度も見る

湿度が高い日は汗が蒸発しにくく、身体に熱がこもりやすくなります。

温度計や湿度計、暑さ指数を確認し、我慢せずにエアコンを使いましょう。

扇風機だけで暑さを我慢するのではなく、冷房と組み合わせることが大切です。

最初の異変で休む

熱中症の初期には、めまい、立ちくらみ、筋肉のけいれん、手足のしびれ、頭痛、吐き気、強いだるさなどが現れることがあります。

頑張り屋の方ほど、「もう少しだけ」と無理を続けがちです。

症状を感じたら作業や運動を止め、涼しい場所へ移動します。衣服をゆるめ、首、脇の下、足の付け根などを冷やしましょう。

意識がはっきりしていて吐いていなければ、水分や塩分を少しずつ補います。

自力で飲めない、呼びかけへの反応がおかしい、けいれんがある、身体を冷やしても改善しない場合は、すぐに119番へ連絡してください。

高齢者が続けやすくなる工夫

一度にたくさん飲むのが苦手な方は、小さめのコップで回数を増やします。

目につく場所に飲み物を置く、冷蔵庫に飲んだ本数を記録する、家族と一緒に飲むことも効果的です。

家族は「ちゃんと飲んで」と注意するよりも、

「暑くなってきたから、一緒に一口飲もう」

「今日は何杯くらい飲めた?」

と声をかけると、受け入れてもらいやすくなります。

できなかったことを責めず、飲めたことや冷房を使えたことを認めましょう。

まとめ

熱中症予防では、普段から水分を少しずつ取ることが基本です。

日常の水分補給は水でも構いません。大量に汗をかいたときや脱水が疑われるときは、体調に合わせて塩分を含む飲み物や経口補水液を使い分けます。

大切なのは、喉が渇く前に飲むこと、暑さを我慢しないこと、体調の変化を軽く見ないことです。

毎日完璧に管理する必要はありません。まずは「起床後にコップ1杯」「外出前に一口飲む」など、続けやすい習慣から始めてみましょう。

Well Aging Support やわらぎでは、年齢や体力、生活環境に合わせた介護予防や健康づくりを一緒に考えています。京都市周辺で無理なく続けられる運動や生活習慣を知りたい方は、お気軽にご相談ください。

最近、体力の低下や夏の体調管理が気になる方へ。

「まだ相談するほどではないかな」という段階でも大丈夫です。ご本人、ご家族、施設、地域団体それぞれの状況を伺い、無理なく取り入れられる方法を一緒に考えます。

まずは、今困っていることや気になっていることをお聞かせください。

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