暑い日が続くと、いつもより疲れやすい。なぜかイライラする。考えがまとまらない。
そんな変化を「気合いが足りない」と片づける必要はありません。
暑い環境では、体は汗を出したり血流を調整したりして、体温を下げようと働き続けます。夜も暑ければ眠りが浅くなり、翌日の集中力や気分にも影響します。
大切なのは、暑さに負けないよう無理をすることではありません。暑い時期に合わせて、生活のペースを少し変えることです。

猛暑は体だけでなく心や脳にも負担をかける
暑い場所に長くいると、体温調節のために体力を使います。
水分が不足したり睡眠が乱れたりすると、ぼんやりする、判断が遅れる、イライラするといった変化が出ることもあります。
特に高齢者は、暑さや喉の渇きを感じにくい傾向があります。気づいたときには体調を崩していることもあるため、本人の感覚だけに頼らない工夫が必要です。
厚生労働省も、熱中症のサインとして「すぐに疲れる」「イライラしている」「ボーッとしている」などを挙げています。

猛暑の時期に避けたい6つの習慣

1.暑さによる疲れを根性で乗り切る
「少しだるいだけ」と無理を続けるのは危険です。
頭痛、めまい、吐き気、大量の汗、強いだるさなどは、熱中症の初期症状かもしれません。
まずは冷房の効いた場所へ移動し、衣服をゆるめて体を冷やします。自分で飲める状態なら、水分も少しずつ取りましょう。
反応がおかしい、自力で水分を飲めない、意識がはっきりしない場合は、ためらわず救急要請が必要です。

2.「夏だから外出しなければ」と無理をする
夏祭りや旅行など、夏らしい予定を楽しむのはすてきなことです。
ただし、暑さが厳しい日にまで予定を詰め込む必要はありません。
外出は朝夕の比較的涼しい時間にして、昼間は図書館や商業施設など、冷房の効いた場所で過ごす方法もあります。
家で映画を見る。短時間だけ友人と話す。夕方に近所を散歩する。これも立派な夏の楽しみ方です。

3.暑くて眠れないまま放置する
暑い夜は、寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めたりしやすくなります。
睡眠不足が続くと、注意力や感情を整える力も落ちやすくなります。
昼間はカーテンやすだれで日差しを遮り、夜はエアコンを我慢しすぎないことが大切です。
寝る前に水分を取り、通気性のよい寝具を使いましょう。毎日の起床時刻を大きく変えないことも、生活リズムを守る助けになります。

4.一番暑い時間に難しい作業を詰め込む
暑い環境では、集中力や作業効率が低下する可能性があります。
大切な判断、書類作成、細かな計算などは、可能であれば朝の涼しい時間に回しましょう。
午後の暑い時間帯は、片づけや予定確認など、比較的負担の軽い作業にします。
「時間」ではなく「体力と集中力」に合わせて予定を組むことが、失敗や疲労を減らすコツです。

5.水分代わりにお酒やカフェイン飲料を飲む
暑い日のビールやアイスコーヒーを、すべて我慢する必要はありません。
ただし、お酒は水分補給にはなりません。暑い場所での飲酒は、判断力の低下や脱水、転倒などの危険を高めます。
コーヒーやお茶も、通常の量なら水分として数えられますが、それだけに偏らないようにしましょう。
基本は水や麦茶です。たくさん汗をかいたときは、食事で塩分を補うか、必要に応じて経口補水液などを利用します。心臓病や腎臓病などで水分・塩分制限がある方は、医師の指示を優先してください。

6.やることをすべて秋まで先送りする
暑い時期に普段どおり頑張れないのは珍しいことではありません。
一方で、気になる仕事をすべて後回しにすると、「やらなければ」という負担が残り続けます。
おすすめは、作業を小さくすることです。
「全部終わらせる」ではなく、「今日は15分だけ」「連絡を1件だけ」と決めます。始める負担が減り、先送りしにくくなります。

今日から始める猛暑日の過ごし方
次の5つから、できそうなものを1つ選んでみましょう。
・朝起きたらコップ1杯程度の水分を取る
・重要な作業は午前中に済ませる
・昼間の外出を短くする
・15分だけ休む時間を予定に入れる
・寝る前に室温と寝具を確認する
全部を完璧に行う必要はありません。
「暑い日は普段の8割で十分」と考えるだけでも、気持ちは少し楽になります。

高齢者が取り組みやすくなる工夫
高齢者の場合は、「喉が渇いてから飲む」だけでは水分が不足することがあります。
起床後、食事、入浴前後など、生活の区切りに合わせて飲む方法が続けやすいでしょう。
冷房を嫌がる方には、「エアコンをつけて」ではなく、「今日は室温が高いから、30分だけ一緒に涼もう」と声をかけます。
注意や命令よりも、一緒に行う提案のほうが受け入れられやすくなります。

まとめ
猛暑による疲れやイライラは、本人の弱さだけで起きるものではありません。
暑さ、睡眠不足、水分不足などが重なることで、心や脳の働きにも負担がかかります。
暑い日は予定を減らす。涼しい時間に動く。短く休む。水分を取る。
まずは、この中から1つで大丈夫です。
強い頭痛、吐き気、意識の変化などがある場合は、単なる夏バテと決めつけず、医療機関や救急相談窓口へ相談してください。

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