暑い日は、
「今日はシャワーでいいか」
ってなりますよね。
ぶっちゃけ、私も気持ちはよくわかります。
汗を流せれば十分。
わざわざ暑い湯船に入らなくてもいいじゃないか、と。
もちろん、毎日必ず湯船に入らないと健康になれないわけではありません。
ただ、お風呂の入り方を少し工夫すると、体をゆるめたり、眠る準備をしたりする時間として使えるわけさ。
特に40代、50代を過ぎてくると、
「疲れが抜けにくい」
「夜中に目が覚める」
「足腰が冷える」
「お風呂から立つとフラッとする」
なんてことも増えてきます。
そこで今回は、無理なく続けられるお風呂の入り方をまとめます。

お風呂は「熱ければいい」わけじゃない
昔から、
「熱い風呂に入ると疲れが取れる」
という人は多いですよね。
でも、中高年以降は熱ければ熱いほどいい、とは言えません。
消費者庁では、高齢者の入浴事故を防ぐ目安として、
湯温は41℃以下。湯船につかる時間は10分まで
としています。
ここ、かなり大事です。
43℃くらいの熱いお湯に長く入って、
「いやぁ、効いた!」
となる気持ちもわかるのですが、体にとっては負担になることがあります。
血圧が大きく動いたり、体温が上がりすぎたりすることがあるからです。

まずは40℃前後で十分
私なら最初の目安を、
38〜40℃くらい
から考えます。
寒い季節でも、41℃を超えるような熱いお湯に無理して入る必要はありません。
「あったかいなぁ」
と感じるくらいでいいんです。
10分前後入ったら、一度出る。
これくらいなら高齢者でも取り入れやすくなります。

お風呂に入ると眠りやすくなることがある
夜のお風呂には、もうひとつ面白いところがあります。
それが睡眠です。
2019年に発表された研究のまとめでは、40〜42.5℃程度の入浴やシャワーを寝る1〜2時間前に行うことで、寝つきや睡眠の質に良い変化がみられたと報告されています。
ポイントは、
「お風呂に入った瞬間に眠くなる」
という話ではありません。
いったん体が温まり、そのあと体の熱が少しずつ逃げていく。
この流れが、眠る準備と重なると考えられています。
だから、
夜10時に寝るなら、
夜8時〜9時ごろにお風呂。
こんな感じで十分です。
毎日きっちり同じ時間じゃなくても大丈夫。
できる日に少し意識するだけでもいいわけさ。

肌のためにも「熱すぎるお湯」は避けたい
熱いお風呂が好きな方に、もうひとつ知っておいてほしいことがあります。
肌です。
愛媛県立医療技術大学の研究では、健康な20代女性6人の手を37℃、40℃、43℃のお湯に10分間つけて変化を調べています。
その研究では、37℃と40℃では角質の水分量が増えましたが、43℃では違う変化がみられました。
ただし、この研究は20代女性6人の手だけを調べた小さな研究です。
「40℃のお風呂に入れば全身の肌が若返る」
とまでは言えません。
ここは大事。
それでも、乾燥が気になる人が熱いお湯を避ける理由のひとつにはなります。

介護予防では「入ること」より安全に出ることが大事
介護の現場を見ていると、お風呂は体をきれいにするだけの場所ではありません。
立つ。
座る。
またぐ。
方向を変える。
体を洗う。
実はいろんな動きをしています。
つまり入浴そのものが、日常生活の力とかなり関係しているわけです。
ところが年齢を重ねると、
湯船から立ち上がった瞬間にフラッとする。
ここが怖い。
お湯につかっている間は水圧が体にかかっています。
そこから急に立つと、血圧が変化して立ちくらみにつながることがあります。

出るときは「ゆっくり」が基本
湯船から出るときは、
いきなり立たない。
浴槽のふちや手すりにつかまる。
一度姿勢を起こしてから、ゆっくり立つ。
これだけでも違います。
足腰に不安がある人なら、家族が
「危ないから早く出て」
と言うより、
「ゆっくりでいいよ」
と声をかける方が安心しやすいですね。
急かされると、逆に動きが乱れることがあります。

冬のお風呂は「温度差」に気をつける
冬になると、さらに注意したいのが脱衣所です。
暖かい部屋から寒い脱衣所へ行く。
服を脱ぐ。
熱いお湯に入る。
この急激な温度差で血圧が大きく変わることがあります。
いわゆるヒートショックです。
消費者庁も、
・脱衣所や浴室を暖める
・入浴前に水分をとる
・41℃以下を目安にする
・10分程度で上がる
・急に立ち上がらない
・家族にひと声かけて入る
といった対策を呼びかけています。
高齢の家族がいる家庭なら、
「風呂入ってくるわ」
のひと言も立派な安全対策です。

お酒を飲んだあとの入浴は避けたい
これはかなり大事です。
飲酒したあと、
「風呂に入ってサッパリして寝よう」
となりがちですが、これはおすすめできません。
アルコールが残っている状態では、眠気や血圧の変化が重なり、入浴中の事故につながる可能性があります。
消費者庁も飲酒後の入浴を避けるよう注意しています。
お酒を楽しむなら、
先にお風呂。あとで晩酌。
この順番の方が安心です。

お風呂と認知症予防はどう考える?
「お風呂に入れば認知症予防になるの?」
ここは言い過ぎない方がいいところです。
入浴そのものが認知症を防ぐ、と確認できる強い根拠はありません。
ただ、
体を動かす。
睡眠を整える。
自分で着替える。
自分で体を洗う。
生活のリズムを保つ。
こうした日常生活を続けることは、介護予防を考えるうえで大切です。
お風呂もそのひとつ。
だから私は、
「若返りのために入浴する」
というより、
これからも自分で生活する力を保つためのお風呂
くらいに考えるのが好きです。

まとめ
お風呂は熱ければ熱いほどいいわけではありません。
まず覚えておきたいのは、
40℃前後・10分くらい。
これで十分。
寝つきが気になるなら、寝る1〜2時間前を目安にしてみる。
そして、
急に立たない。
冬は脱衣所を暖める。
飲酒後は入らない。
ここまでセットです。
毎日完璧に湯船に入る必要もありません。
暑い日はシャワーの日があってもいい。
体調のいい日に、
「今日は10分だけ浸かってみようかな」
それくらいでいいんです。
健康づくりって、結局こういう小さな習慣の積み重ねなわけさ。
胸の痛み、強い息切れ、失神、繰り返す強いめまいなどがある場合や、心臓・血圧などの病気で治療中の場合は、自己判断で入浴方法を変えず、医師などに相談してください。

Well Aging Support やわらぎでは、運動だけを見るのではなく、睡眠や入浴、食事、外出など普段の生活も含めて、「今の自分に続けられる健康づくり」を一緒に考えています。
京都市周辺で、
「最近ちょっと体力が落ちてきた」
「親のお風呂や転倒が心配」
「介護が必要になる前から何か始めたい」
という方は、まだ早いかなと思う段階でも大丈夫です。
個人の方、ご家族、介護施設、地域団体からのご相談にも対応しています。
無理に運動をすすめるのではなく、生活の中で続けられる方法から一緒に探していきます。


コメント