「できれば、ずっと自分の家で暮らしたい」
そう思っている人は多いんじゃないでしょうか。
好きな時間に起きる。
好きなものを食べる。
テレビを見るのも、お風呂に入るのも自分の自由。
やっぱり自分の家は落ち着きます。
ただ、年齢を重ねてくると、
「この階段、あと何年上れるかな」
「体調を崩したとき、誰が気づいてくれるんだろう」
そんな心配も少しずつ出てきます。
だからといって、元気なうちから介護施設に入るのもしっくりこない。
ぶっちゃけ、その間の選択肢がもっとあっていいと思うんです。
大事なのは、一人で暮らすことをやめることではありません。
自分らしい生活を続けながら、完全に孤立しない仕組みを作っておくことです。

高齢者の一人暮らしで怖いのは「一人」より「孤立」
ここは分けて考えたほうがいいです。
一人暮らしだから不健康になるわけではありません。
一人で暮らしていても、
「おはよう」
「今日は暑いな」
「また来週」
こんな会話をする相手がいる人もいます。
逆に家族と暮らしていても、ほとんど会話がなければ孤立することはあります。
つまり問題なのは、一人暮らしそのものではなく、人や地域とのつながりがなくなってしまうこと。
厚生労働省も、体操や趣味、茶話会などを行う地域の「通いの場」を、運動だけではなく社会参加や孤独・孤立を防ぐ場として考えています。
介護予防って、筋トレだけじゃないわけさ。
誰かに会う。
外へ出る。
ちょっと役割がある。
こういうことも、かなり大事です。

「外へ出る理由」がなくなると動かなくなる
仕事をしていた頃なら、
駅まで歩く。
職場で人と話す。
昼ごはんを買いに行く。
意識しなくても体を動かしていました。
ところが退職すると、それが一気になくなることがあります。
さらに一人暮らしだと、
「今日は誰にも会わないし、まあいいか」
となりやすい。
外へ出ない。
歩く量が減る。
人と話す機会も減る。
食事も簡単なもので済ませる。
こういう小さな変化が重なって、体力や生活の張りが落ちてしまうことがあります。
だから家を選ぶときは、間取りや家賃だけでは足りません。
「ここに住んだら、自然と外へ出る生活になるか?」
これも見てほしいところです。

「自宅か施設か」の二択にしなくていい
高齢期の住まいというと、
「自宅で頑張る」
それが難しくなったら、
「施設へ入る」
この二択で考えがちです。
でも、その間にもいろいろあります。

プライバシーを守りながら人とつながる住まいもある
最近は、
- 自分専用の部屋がある
- トイレや風呂、キッチンも自室にある
- 食事や交流スペースだけ共有する
- 若い世代と高齢者が同じ建物で暮らす
- 見守りセンサーを使う
そんな住まい方も出てきています。
いわゆるグループリビングやコレクティブハウス、多世代型住宅などです。
シェアハウスほどベッタリではない。
でも完全な一人でもない。
このくらいの距離感がちょうどいい人もいると思います。
まじで、人付き合いって多ければいいわけじゃありません。
「困ったときだけ助けてもらえる」
「週に何度か顔を見る」
そのくらいでもいいんです。

住み替えを考えるなら元気なうちがいい
75歳、80歳になってから、
「階段が上れなくなったから引っ越そう」
となると結構大変です。
荷物を整理する。
物件を探す。
契約する。
新しいスーパーや病院を覚える。
これ、かなり体力を使います。
だから60代や70代前半くらいから、
「今すぐ引っ越す」ではなく、「この家で80歳になったらどうだろう?」
と考えてみる。
それだけでも違います。

住まいを見るときは、この5つを確認
難しく考えなくて大丈夫です。
まず見てほしいのはこのあたり。
① 階段
玄関まで何段あるか。
寝室とトイレが別の階になっていないか。
② 買い物
徒歩でスーパーやコンビニへ行けるか。
③ 病院や薬局
体調を崩したとき、自分で行ける距離か。
④ 移動手段
駅やバス停が近いか。
車を手放したあとも生活できるか。
⑤ 人とのつながり
近所に知り合いがいるか。
地域のサロンや体操教室、趣味の集まりがあるか。
家の広さより大事になるものが、年齢とともに変わってくるんです。
今日からできる「孤立しない暮らし」の作り方
いきなりコミュニティに入る必要はありません。
人付き合いが苦手な人もいますからね。
まずは小さくていいです。

週に1つ「外へ出る予定」を入れる
例えば、
月曜日はスーパー。
水曜日は散歩。
金曜日は喫茶店。
それだけでもOK。
さらに月1回でも体操教室、趣味の会、地域サロンなどが加われば、外へ出る理由になります。
できれば週に1回くらいは、誰かと顔を合わせる予定があると続けやすいでしょう。

男性は「話す場所」より「やることがある場所」
これは意外と大事です。
「みんなで楽しくおしゃべりしましょう」
と言われても、
「いや、別に……」
という男性は結構います。
だったら無理にしゃべらなくてもいい。
DIY。
家庭菜園。
ウォーキング。
囲碁。
将棋。
写真。
地域の清掃活動。
何か目的がある場所なら参加しやすくなります。
会話を目的にするのではなく、何かを一緒にやった結果として人とつながる。
このほうが合う人もいます。

家族は「一人で大丈夫?」と聞きすぎない
親が一人暮らしだと心配ですよね。
でも、
「危ないから施設に入ったほうがいい」
「一人じゃ無理でしょ」
と言われると、本人としては自分の生活を否定されたように感じることもあります。
それより、
「この家であと10年暮らすなら、何があったら楽かな?」
「買い物だけ少し便利にできないかな?」
「週1回くらい一緒に歩く?」
こんな聞き方のほうが話しやすい。
できないことを探すより、できている生活をどう残すか。
これは介護予防でも大事な考え方です。

まとめ|「一人暮らしをやめる」のではなく「一人になりすぎない」
これから高齢者の一人暮らしは珍しいものではなくなっていきます。
だから、
「一人暮らし=かわいそう」
と考える必要はありません。
自分の時間がある。
好きな生活ができる。
誰にも気を使わなくていい。
一人暮らしには、ちゃんと良さがあります。
その自由を残しながら、
近所に顔を知っている人がいる。
週に一度は外へ出る。
何かあったら連絡できる人がいる。
そんな**「ゆるくつながる暮らし」**を作っておく。
介護が必要になってから全部変えるのではなく、元気な今から少しずつ。
それで十分です。

Well Aging Support やわらぎでは、運動だけを見るのではなく、外出、人とのつながり、生活習慣なども含めて、その人ができるだけ自分らしく暮らし続ける方法を一緒に考えています。
京都市周辺で、
「最近、親が家にこもることが増えた」
「体力が落ちてきた気がする」
「介護が必要になる前に何か始めたい」
そんな方も、まだ早いかなと思う段階で大丈夫です。
個人の方、ご家族だけでなく、施設や地域団体からの介護予防・健康づくりのご相談にも対応しています。
無理に何かを始める必要はありません。
まずは今の暮らしを聞かせてください。
できることから、一緒に考えます。


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