介護難民400万人時代は本当に来る?介護職不足から考える、今からできる家族の備え

介護難民400万人時代に備え、親子で公園を歩きながら介護予防を考える女性と高齢女性 家族介護の基本
介護が必要になる前から、少しずつ体を動かし、家族で将来の備えを始めましょう。

「将来、介護が必要になったとき、ちゃんとサービスを受けられるんやろか」

親の年齢が上がってくると、こんな心配がふと頭をよぎります。

最近は「介護難民400万人時代」という、かなりドキッとする言葉まで出てきました。

でも、まじで大事なのは怖がることじゃありません。

今わかっていることを知って、元気なうちから少しずつ備えておくこと。

介護は、必要になってから全部考えようとすると大変です。

だからこそ「まだ早いかな?」くらいから考えておく。これがちょうどいいんです。

2040年、介護職は今より約57万人多く必要になる

厚生労働省の推計では、2022年度に約215万人だった介護職員は、2040年度には約272万人必要になるとされています。

差は約57万人。

ニュースなどで言われる「約60万人増やす必要がある」という話は、この数字を丸めたものです。

これはかなり大きな数字です。

しかも、日本では働く世代そのものが減っていきます。

「じゃあ57万人増やしたら解決やん」

……と言いたいところですが、ぶっちゃけ、そこが簡単ではないわけさ。

介護職だけを一気に増やすのは難しく、働いている人が辞めにくい環境をつくることも同じくらい大切になります。

「介護難民400万人」は国の公式予測ではない

ここは混同しないようにしたいところです。

「介護難民400万人」という数字は、厚生労働省が公式に「400万人が介護を受けられなくなる」と発表した数字ではありません。

小林美希さんの著書『介護難民400万人時代』で示されている試算です。

なので、

「2040年になったら必ず400万人が介護を受けられなくなる」

という意味ではありません。

ただし、介護職不足そのものは国も認めている課題です。

ここは軽く見ないほうがいいと思います。

介護する人自身が、親の介護を抱える時代に

介護現場には40代、50代、60代で働く人もたくさんいます。

すると何が起こるか。

仕事では高齢者を介護する。

家に帰れば自分の親も高齢になっている。

いわゆる「仕事でも介護、家でも介護」という状態です。

元の記事で紹介されている56歳の介護職員も、長時間勤務を続けながら、自分の両親と妻の両親の介護を抱えていました。

これはかなりしんどい。

介護職が家族介護を理由に辞めれば、現場はさらに人手不足になります。

残った職員の負担が増える。

また辞める人が出る。

この流れは避けたいところです。

介護職の離職率は近年12%台まで下がっています。

「介護職はみんなすぐ辞める」という単純な話でもありません。

それでも、必要な人数そのものが増えるため、人材確保は引き続き大きな課題になっています。

私たちにできるのは「介護が必要になる前」から動くこと

ここで介護予防の出番です。

もちろん、運動したから介護が絶対に必要なくなるわけではありません。

病気やけがは誰にでも起こります。

ただ、歩く力や筋力、バランス、外出する習慣を保つことは、日常生活を自分で続ける力を守るうえで大切です。

自分で立つ。

歩く。

トイレへ行く。

買い物へ行く。

こうした普通の動作が続けられることは、本人の生活の質だけでなく、家族の介護負担にも関係してきます。

まずは「今より少し動く」でいい

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者に対して、歩行などの身体活動を1日40分以上、約6,000歩以上が一つの目安として示されています。

筋力トレーニングは週2〜3日。

バランス運動や柔軟運動などを組み合わせた運動は週3日以上が目安です。

ただし、これは全員が絶対に達成しないといけない数字ではありません。

むしろ厚生労働省も「今より少しでも多く身体を動かす」ことをすすめています。

最初は、

「夕食後に10分歩く」

「テレビを見ながら椅子から5回立つ」

「買い物では少し遠い入口まで歩く」

それくらいでもいいんです。

ゼロを10にする。

まずはそこから。

高齢の家族には「運動しなさい」と言わない

家族の声かけも、けっこう大事です。

「もっと歩かなあかんで」

「筋肉落ちるで」

と言われると、人は動きたくなくなることがあります。

そこで、

「天気いいし、ちょっと一緒に歩かへん?」

「買い物ついでに少し回って帰ろか」

くらいでいい。

「健康のためにやらされる運動」より、「誰かと出かけた結果、体を動かしていた」のほうが続きやすい人もいます。

家族で一度だけ「もしもの話」をしておく

もう一つやってほしいのが、家族で介護の話をすることです。

毎週会議なんて必要ありません。

年に1回でもいい。

「もし一人で生活するのが難しくなったら、どうしたい?」

「施設と家だったら、どっちがいい?」

「困ったとき誰に相談する?」

これだけでも違います。

親が元気なうちなら本人の希望も聞けます。

いざ介護が始まってから、家族だけで全部決めるよりずっと楽です。

介護は、一人で抱えるほどしんどくなります。

地域包括支援センターや自治体など、早い段階から相談できる場所もあります。

まとめ

「介護難民400万人」という言葉を見ると、不安になるのも無理はありません。

ただ、400万人という数字は国の公式予測ではありません。

一方で、厚生労働省は2040年度に約272万人の介護職員が必要になり、2022年度より約57万人増やす必要があると推計しています。

だからこそ、介護を「その時になったら考える話」にしない。

今から歩く。

少し筋力を保つ。

家族で話しておく。

相談先を知っておく。

全部やらなくていいんです。

今日、一つだけでも十分。

介護予防って、ものすごい特別なことをする話ではありません。

これからも自分らしく暮らすために、今ある力をなるべく長く残していく。

私はそこが一番大事だと思っています。


「最近、親の歩く力が落ちてきた気がする」

「自分も将来、介護が必要になるのが少し気になる」

「何から介護予防を始めたらいいかわからない」

そんな段階からの相談で大丈夫です。

Well Aging Support やわらぎでは、運動だけに偏らず、毎日の生活や体力に合わせて、無理なく続けられる健康づくりを一緒に考えています。

京都市周辺の個人・ご家族はもちろん、施設や地域団体での介護予防についてもご相談ください。

「こんなこと聞いてもいいのかな?」くらいで大丈夫です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました