てんかんの発作は4種類|症状・原因・検査と家族ができる対応

てんかんの発作の特徴や対応について、医師から説明を受ける本人と家族を描いたイラスト 介護予防
てんかんを正しく知り、発作の特徴と対応を理解することが安心につながります。

突然ぼんやりして返事がなくなる。手足が小刻みに動く。急に倒れて全身がけいれんする。

こうした症状を見ると、多くの方が驚き、不安になると思います。

てんかんは、脳の神経細胞に一時的な電気活動の乱れが起こり、同じような発作を繰り返す病気です。子どもだけの病気ではなく、脳卒中や認知症などをきっかけに、高齢になってから発症することもあります。

発作は「全身けいれん」だけではありません。短時間ぼんやりする、手だけが動く、急に不安を感じるなど、気づきにくい症状もあります。

この記事では、てんかん発作の4つの大分類と、原因、検査、家族ができる対応をやさしく解説します。

てんかんは脳の電気活動が一時的に乱れる病気

私たちの脳では、多くの神経細胞が電気信号を使って情報をやり取りしています。

この電気活動が一時的に大きく乱れると、意識、運動、感覚、記憶などに変化が起こります。これが「てんかん発作」です。

厚生労働省によると、日本には約60万~100万人のてんかんのある方がいるとされています。乳幼児から高齢者まで、どの年代でも発症する可能性があります。

発作の症状は人によって異なります。同じ人には、似た発作が繰り返し現れることが多い点も特徴です。

てんかん発作は大きく4種類に分けられる

国際的な2025年の分類では、発作が始まる場所や、得られている情報によって、次の4つに大きく分けられます。

1.焦点発作

脳の一部分から始まる発作です。

手や顔の一部がピクピクする、しびれる、光が見える、変なにおいがする、急に不安になるなどの症状があります。

意識が保たれる場合もあれば、ぼんやりして呼びかけに反応しなくなる場合もあります。

口をモグモグさせる、服を触り続ける、同じ動作を繰り返すこともあります。認知症や体調不良と間違われることがあるため、普段と違う様子を記録しておくことが大切です。

2.全般発作

発作の始まりから、左右の脳が広く巻き込まれる発作です。

全身が硬くなった後にガクガク動く「強直間代発作」のほか、数秒間だけ動きが止まり、ぼんやりする「欠神発作」などがあります。

物を突然落とす、一瞬だけ身体がビクッと動く、急に力が抜けて倒れるといった症状も含まれます。

3.焦点か全般か判断できない発作

発作の始まりが目撃されていない場合など、脳の一部から始まったのか、最初から広く始まったのかを判断できない発作です。

その後、発作時の動画や脳波検査などの情報が得られると、焦点発作または全般発作に分け直されることがあります。

4.分類できない発作

発作の様子や検査結果などの情報が足りず、ほかの分類に当てはめられない発作です。

「分類できない=治療できない」という意味ではありません。記録や検査を重ねながら、発作の特徴を確認していきます。

てんかんの主な原因

てんかんの原因には、脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、脳の生まれつきの構造変化、遺伝子や代謝の異常などがあります。

高齢者では、脳梗塞や脳出血、認知症などの脳の病気が関係することがあります。一方で、検査を行っても原因を特定できない場合もあります。

以前は「特発性」「症候性」「潜因性」などの言葉が使われていました。現在は、構造的、遺伝的、感染性、代謝性、免疫性、原因不明などの考え方で整理されています。

診断では発作時の情報が重要

てんかんの診断では、発作の様子を詳しく確認する問診がとても重要です。

脳波検査で脳の電気活動を調べ、MRIやCTで脳の構造を確認します。必要に応じて、血液検査や長時間のビデオ脳波検査などを行います。

ただし、通常の脳波検査で異常が出なかったからといって、すぐにてんかんが否定されるとは限りません。発作時の動画や家族の観察記録が、診断の大切な手がかりになります。

記録するときは、次の点を残しておきましょう。

・発作が始まった時刻と続いた時間
・呼びかけに反応したか
・目や顔がどちらを向いていたか
・身体のどこから動き始めたか
・発作後、普段の状態に戻るまでの時間

撮影できる状況であれば、安全を確保したうえで動画を残します。

発作が起きたときに家族ができること

まず、周囲にある硬い物や危険な物を遠ざけます。頭の下にタオルや衣類を置き、眼鏡やきつい衣服を外します。

身体を強く押さえつけたり、口の中に指、箸、タオルなどを入れたりしてはいけません。発作が落ち着いたら、呼吸しやすいように身体を横向きにします。

多くの発作は数分以内に治まります。慌てず、開始時刻と発作の様子を確認しましょう。

けいれんが5分以上続く、発作を繰り返して意識が戻らない、初めての発作、強いけがや呼吸の異常がある場合は、救急車を呼んでください。

日常生活では「発作を起こしにくい環境」を整える

薬を処方されている方は、自己判断で減らしたり中止したりせず、決められた時間に服用することが基本です。

睡眠不足、過度な疲労、飲酒、薬の飲み忘れなどが発作のきっかけになる方もいます。ただし、何が影響するかは一人ひとり異なります。

発作記録をつけ、睡眠時間、服薬、体調などを一緒に残すと、自分の傾向を見つけやすくなります。

運動を必要以上に避ける必要はありません。転倒や水中での発作に備え、運動内容や見守り方法を主治医と相談しましょう。

家族は「無理をしないで」だけではなく、「今日はどんな体調?」「一緒に記録してみようか」と声をかけると、本人の自主性を保ちながら支えられます。

まとめ

てんかん発作は、焦点発作、全般発作、焦点か全般か判断できない発作、分類できない発作の4つに大きく分けられます。

全身のけいれんだけでなく、短時間ぼんやりする、手が動く、同じ動作を繰り返すなど、気づきにくい症状もあります。

普段と違う様子が繰り返される場合は、発作の時間や症状を記録し、脳神経内科、脳神経外科、てんかん専門医などに相談しましょう。

正しい知識があれば、必要以上に怖がらず、本人の生活や活動を支えることができます。できることをすべて制限するのではなく、安全に続けられる方法を一緒に考えることが大切です。

最近、家族のぼんやりする様子や体力低下が気になる方、病気があっても安全に身体を動かす方法を知りたい方へ。

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