夜中に目が覚めるのは睡眠の失敗?「二分割睡眠」から考える上手な眠り方

夜中に目が覚めてベッドで穏やかに過ごす高齢女性。月明かりと朝日の光が差し込み、「夜中に起きても まずは慌てなくていい」と書かれた睡眠記事のアイキャッチ画像。 健康づくり・生活習慣
夜中に目が覚めることだけで、すぐに「眠れなかった」と決めつける必要はありません。大切なのは、朝の目覚めや日中の過ごしやすさも含めて睡眠を考えることです。

夜中の2時や3時。

ふっと目が覚めて、「あ〜、また起きてしまった」とガッカリすること、ありませんか。

スマートウォッチを見たら、睡眠スコアまで下がっている。

これ、まじで気になりますよね。

でも、夜中に一度目が覚めた=睡眠失敗とは限りません。

実は昔の人たちは、夜の睡眠を2回に分けるような眠り方をしていた記録があります。

大事なのは「途中で起きたか」だけじゃないんです。

朝起きたときに休めた感じがあるか。日中を普通に過ごせているか。

まずは、そこを見てみたいところです。

夜中に起きる睡眠は、昔は珍しくなかった

昔のヨーロッパなどでは、

「第一の眠り」

「第二の眠り」

というように、夜の睡眠を2つに分ける習慣があったとされています。

夜になったら一度眠る。

真夜中にしばらく起きる。

そのあと、また朝まで眠る。

その途中の時間に、読書をしたり、祈ったり、家族と話したりしていた記録が残っています。

つまり、「一晩中まったく目覚めず眠ること」だけが人間の唯一の自然な睡眠だったわけではない、という見方です。2025年にキール大学のダレン・ローズ氏も、こうした歴史的な二分割睡眠を紹介しています。

現代人でも二分割のような睡眠は起こる

これが面白いところ。

1992年の実験では、明るい時間を短くして長い暗闇の時間を作ると、参加者の睡眠が数時間ずつの2回に分かれ、その間に1〜3時間ほど起きている時間が現れました。

さらに2017年、電気のないマダガスカルの農村で21人を調べた研究でも、夜中に活動が高まるパターンが49%の夜で確認されています。

だから、

「夜中に目が覚めた。自分の睡眠はおかしい」

と、すぐ決めつけなくてもいいわけさ。

ただし、昔の二分割睡眠と、病気などによる中途覚醒は同じではありません。

ここは大切です。

高齢になると睡眠は少し変わってくる

年齢を重ねると、若いころと同じ眠り方ではなくなることがあります。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、実際に眠れる夜間睡眠時間は年齢とともに少しずつ短くなる傾向が紹介されています。

目安として、

25歳では約7時間。

45歳では約6.5時間。

65歳では約6時間。

というデータがあります。

高齢になるほど早寝早起きになったり、途中で目が覚めやすくなったりすることもあります。

「昔は8時間ぐっすりだったのに」

と、若いころと比べすぎなくて大丈夫です。

睡眠で大切なのは「何時間連続したか」だけではない

睡眠は、体を休ませるだけではありません。

脳の働きや記憶、気分、免疫などにも関係します。

厚生労働省も、良い睡眠は認知機能や心身の健康、記憶の定着などに重要だとしています。

だからこそ睡眠は大事。

でも、

「途中で一回起きた」

という一点だけで判断する必要はありません。

朝の自分を確認してみる

睡眠スコアを見る前に、こんなところを確認してみてください。

・朝、ある程度すっきり起きられた
・昼間に強い眠気がない
・家事や仕事、外出がいつも通りできる
・体が極端にだるくない

ここが問題なければ、一晩の数字だけで落ち込まなくてもいいかもしれません。

厚生労働省も、睡眠時間だけでなく、**「睡眠で休養がとれた感覚」**を大切な目安としています。

夜中に目が覚めたら、時計を見すぎない

夜中に起きると、ついやります。

「今2時17分か……あと4時間しかない」

これ。

ぶっちゃけ、眠れなくなる原因になりがちです。

時間を計算し始めると、

「寝なきゃ」

「明日起きられない」

「また睡眠スコアが悪くなる」

と頭が動き始めます。

寝よう寝ようと頑張るほど、逆に目がさえてしまう。

眠れないなら、一度ベッドを離れる方法もある

不眠に対する認知行動療法では、眠れない状態で長く布団にとどまり続けない方法があります。

目安として20分ほど眠れないと感じたら、一度ベッドを離れます。

ただし、20分を時計で測る必要はありません。

「けっこう起きてるな」

くらいでOKです。

薄暗い部屋で、

・静かに本を読む
・ゆっくり呼吸する
・刺激の少ない音楽を聴く

などをして、眠気が戻ったら布団へ。

米国睡眠医学会の資料でも、こうした方法が紹介されています。

スマホでニュースやSNSを見るのは、できれば避けたいところ。

脳がまた昼間モードになってしまいます。

朝と夜の「光」を少し意識する

眠りを整えるなら、夜だけではなく昼間も大切です。

厚生労働省は、起床後から日中には明るい光を浴び、寝る前は明るすぎる光を避けることを勧めています。

朝起きたらカーテンを開ける。

日中は外に出る。

夜は照明を少し落とす。

これくらいからで十分。

介護予防の面でも、日中に少し歩いたり体操したりすると、活動と休息のメリハリをつけやすくなります。

いきなり30分歩かなくてもいいです。

まずは5〜10分ほど外へ出る

そこから。

高齢者は「寝ようとしすぎ」にも注意

意外ですが、長く布団に入っていれば、その分よく眠れるとは限りません。

厚生労働省は高齢者について、床の上で過ごす時間が8時間以上にならないことを一つの目安として示しています。

必要以上に長く布団にいると、

「寝つけない」

「途中で目が覚める」

という時間が増える場合があります。

だから、

「眠れないから今日は早く布団へ入ろう」

を毎日繰り返すより、起きる時間を大きく崩さないほうが合う人もいます。

家族は「また眠れなかったの?」より別の声かけを

家族が夜中に何度か起きていると、心配になります。

でも、

「昨日も眠れてなかったね」

「ちゃんと寝なきゃダメだよ」

と言われると、本人が余計に睡眠を気にしてしまうことがあります。

そんなときは、

「今日は体調どう?」

「昼間に眠くない?」

「少し外を歩いてみる?」

くらいがちょうどいい。

睡眠そのものより、昼間の様子を見る

これがポイントです。

こんなときは「昔も二分割睡眠だったから」で済ませない

夜中に目が覚めること自体は珍しくありません。

とはいえ、何でも「自然な睡眠」で片づけるのも違います。

次のような状態が続くなら、一度医療機関に相談したほうが安心です。

・何度も目が覚めて日中つらい
・十分寝ても休んだ感じがしない
・昼間に強い眠気がある
・大きないびきや呼吸が止まると言われる
・眠れないことが長く続いている

睡眠時無呼吸などの睡眠障害でも、中途覚醒が増えることがあります。

厚生労働省も、睡眠の不調が続き日中生活に影響が出ている場合は、医師への相談を勧めています。

まとめ|夜中に起きても、まずは慌てなくていい

夜中に目が覚める。

それだけで「睡眠失敗」と決めなくても大丈夫です。

人間には昔から、途中で起きるような睡眠の形があったことが分かっています。

だから今夜もし起きたら、

「あ、起きたな」

くらいでいい。

時計を見ない。

スマートウォッチの点数も朝まで見ない。

眠くなったら、また寝る。

そして翌朝、

「今日はちゃんと動けそうかな?」

そこを確認する。

睡眠は点数競争ではありません。

運動、食事、外に出る時間、光、昼間の活動量。

全部つながっています。

毎日完璧じゃなくていいんです。

少しずつ自分に合う生活リズムを見つけていけば十分です。

Well Aging Support やわらぎでは、運動だけを見るのではなく、睡眠や日中の活動なども含めて、無理なく続けられる健康づくりを一緒に考えています。

京都市周辺で、

「最近、体力が落ちてきた気がする」

「親の生活リズムが少し気になる」

「今のうちから介護予防を始めておきたい」

そんな方も、まだ早いかなと思う段階から大丈夫です。

個人の方、ご家族、施設、地域団体など、それぞれの生活や環境に合った方法を一緒に考えます。

気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。


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