仕事終わりの一杯。
一日の疲れがふっと抜けるようで、「これがないと楽しみがない」と感じる方も多いかもしれません。
でも、毎晩のお酒が当たり前になると、体だけでなく、睡眠、気分、家計にも少しずつ影響することがあります。
大切なのは、いきなり完全にやめることではありません。
まずは「飲まない日も悪くない」と脳と体に思い出してもらうことです。

お酒が「楽しい」と感じやすい理由
お酒を飲むと、脳の報酬に関わる仕組みが刺激され、気分がよくなったように感じることがあります。米国NIAAAは、アルコールが報酬処理に関わる脳の働きを高め、ドーパミン信号にも関係すると説明しています。
つまり、お酒が楽しいと感じるのは、意志が弱いからではありません。
脳が「これは気持ちいいものだ」と覚えやすいからです。
ただし、毎日のように強い刺激に慣れると、散歩、読書、会話、朝のコーヒーのような小さな楽しみを感じにくくなることがあります。
「お酒がないと楽しくない」のではなく、
お酒以外の楽しみに気づきにくくなっているだけかもしれません。

飲酒量は「お酒の量」ではなく「純アルコール量」で見る
厚生労働省は、健康に配慮した飲酒では、お酒の量そのものではなく、純アルコール量で把握することが大切だとしています。ビール500ml、アルコール5%なら、純アルコール量は約20gです。計算式は「飲んだ量ml × アルコール度数 ÷ 100 × 0.8」です。
たとえば、毎日ビール500mlを飲む人は、毎日約20gの純アルコールをとっていることになります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、生活習慣病リスクを高める飲酒量として、男性は1日平均40g以上、女性は20g以上が示されています。また、一般的に週2日程度の休肝日も推奨されています。

まず見る数字
ビール500ml、5%
純アルコール量:約20g
ビール350ml、5%
純アルコール量:約14g
チューハイ350ml、7%
純アルコール量:約20g
「今日は少なめ」と思っていても、度数が高いお酒では意外と純アルコール量が多くなることがあります。
飲み代を見える化すると、行動が変わりやすい
お酒を減らすと、体調だけでなく家計にも変化が出ます。
たとえば、1日1,000円をお酒やおつまみに使っている場合、
1日:1,000円
1か月:約30,000円
1年:約360,000円
10年:約3,600,000円
この数字を見ると、少し現実味が出てきます。
「飲んではいけない」と考えるより、
「このお金を何に変えたいか」と考える方が続きやすくなります。
旅行、靴、整体、運動教室、家族との外食、資格の勉強。
お酒を我慢するのではなく、未来の楽しみに置き換える感覚です。
飲まない夜におすすめの“最高の暇つぶし”
1. 夜の散歩を10分だけする
いきなり長時間歩く必要はありません。
夕食後に10分だけ外を歩くだけでも、気分転換になります。
少し息が上がるくらいの早歩きができる方は、途中で1〜2分だけ早歩きを入れてみましょう。
足腰の維持、血流、睡眠のリズムづくりにもつながります。
ふらつきがある方は、暗い道を避け、家族と一緒に歩くと安心です。

2. お酒の代わりに「温かい飲み物」を決める
脳は、習慣の流れを好みます。
そのため、急に「何もしない」にすると物足りなく感じます。
おすすめは、お酒の代わりになる飲み物を先に決めることです。
白湯、ノンカフェインのお茶、炭酸水、具だくさんの味噌汁など。
手に持つものがあるだけで、口寂しさがやわらぎます。

3. 寝る前30分を「回復時間」にする
お酒を飲まない夜は、意外と時間が残ります。
その30分を、スマホでなんとなく使うのではなく、体を回復させる時間にします。
・首と肩をゆっくり回す
・ふくらはぎを伸ばす
・明日の予定を紙に3つだけ書く
・布団の中で深呼吸を5回する
ポイントは、頑張りすぎないことです。
「物足りない夜」ではなく、「体を整える夜」に変えていきましょう。

家族がサポートするときの声かけ
お酒を減らしてほしい家族に対して、
「また飲んでるの?」
「体に悪いよ」
と言うと、責められたように感じやすくなります。
おすすめは、行動を小さく提案することです。
「今日は炭酸水にしてみる?」
「10分だけ一緒に歩こうか」
「飲まなかった分で、週末おいしいもの食べに行こう」
人は、否定されるより、選択肢を増やされた方が動きやすくなります。
無理にゼロを目指さなくてもいい
お酒との付き合い方は、人によって違います。
大切なのは、毎日なんとなく飲む習慣を一度見直すことです。
まずは週に1日、飲まない日を作る。
次に週2日にしてみる。
飲む日は量を決めて、ゆっくり味わう。
このくらいの小さな一歩でも十分です。
ただし、飲酒量が多い方や、飲まないと手が震える、眠れない、強い不安が出る場合は、自己判断で急にやめず、医療機関や専門機関に相談してください。
まとめ
お酒が悪い人を作るわけではありません。
でも、毎日の習慣になると、脳、睡眠、体力、家計に少しずつ影響することがあります。
飲まない夜は、最初は退屈に感じるかもしれません。
けれど、散歩、温かい飲み物、ストレッチ、読書、家族との会話など、小さな楽しみを取り戻す時間にもなります。
まずは今日1日だけ。
いつものお酒売り場を素通りして、浮いたお金をメモしてみてください。
それだけでも、未来の自分への小さな投資になります。
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