数独やパズルをすると、頭を使った感じがしますよね。
「脳トレになるなら毎日やった方がいいのかな」
「もの忘れ予防になるなら続けたい」
そう思っている方も多いと思います。
もちろん、数独やパズルが悪いわけではありません。
考える時間を持つことは、とても良いことです。
ただし、脳の元気を保つためには、それだけでは少し足りないことがあります。
大切なのは、覚えることや計算することだけではなく、
「自分で考えて、話す」
「新しいことを試す」
「感じたことを形にする」
という習慣です。
これは、脳の中でも「前頭葉」と呼ばれる部分と関係しています。

脳の老化で注目したいのは「前頭葉」
前頭葉とは、脳の前の方にある部分です。
難しく聞こえますが、簡単に言うと、前頭葉は
「やってみよう」
「どうしようかな」
「こっちにしてみよう」
と考えて行動する力に関わる場所です。
たとえば、次のような働きに関係します。

前頭葉が関わること
・やる気
・判断する力
・感情を整える力
・新しいことを考える力
・行動を始める力
・人と会話する力
・自分の考えをまとめる力
年齢を重ねると、記憶力だけが気になりがちです。
でも実際には、
「新しい店に行くのが面倒」
「いつも同じ服ばかり選ぶ」
「人と会うのが少しおっくう」
「まあ、これでいいかが増えた」
という変化も、脳の元気と関係していることがあります。
これは怠けているという意味ではありません。
年齢とともに、脳が変化しているサインのひとつとして考えることができます。

数独やパズルだけでは足りない理由
数独やパズルは、計算や空間を考える力を使います。
これは脳にとって良い刺激です。
ただし、それだけでは「行動する力」や「自分の考えを出す力」までは十分に使いにくい場合があります。
たとえば、数独は答えが決まっています。
正解に向かって考える作業です。
一方で、日常生活には正解がひとつではないことがたくさんあります。
「今日はどこを歩こうかな」
「このニュースを見て自分はどう思うかな」
「家族にどう伝えたらいいかな」
「新しい体操を試してみようかな」
こうした、自分で選び、自分の考えを出す行動が、前頭葉への刺激になります。
つまり、脳の健康には
「問題を解くこと」だけでなく、
「自分で考えて動くこと」も大切なのです。

前頭葉を元気にするカギはアウトプット
アウトプットとは、頭の中にあるものを外に出すことです。
たとえば、次のようなことです。

今日からできるアウトプット
・家族に今日あったことを話す
・テレビを見て感じたことを一言メモする
・読んだ記事の感想を書く
・散歩中に見つけたことを誰かに伝える
・新しく行った店の感想を話す
・写真を撮って一言添える
・日記を3行だけ書く
大げさなことをする必要はありません。
「今日は暑かった」だけで終わらせず、
「暑かったから、朝のうちに歩く方が楽だった」
と少し考えて言葉にする。
これだけでも立派なアウトプットです。

脳と体は一緒に使うと続きやすい
介護予防の視点では、脳だけを使うよりも、体も一緒に動かすことが大切です。
なぜなら、歩く、話す、見る、考える、人と関わるという行動は、生活の質に関係しているからです。
たとえば、散歩をしながら
「昨日と違う道を通る」
「見つけた花の名前を調べる」
「帰ってから家族に話す」
という流れにすると、体も脳も使えます。

おすすめは「歩く+話す+書く」
目安は、無理のない範囲で十分です。
・週2〜3回、10〜20分歩く
・帰宅後に一言メモを書く
・家族や友人にひとつ話す
これくらいなら始めやすい方も多いと思います。
体力に不安がある方は、家の中で足踏みをしながらでも大丈夫です。
大切なのは、完璧にやることではなく、生活の中に少し入れることです。

新しいことは小さく始めればいい
「新しいことをしましょう」と聞くと、少し身構える方もいます。
でも、旅行に行く、習い事を始める、スマホを完璧に使う。
そんな大きなことをしなくても大丈夫です。

前頭葉を使う小さな変化
・いつもと違う道を歩く
・いつもと違う色の服を選ぶ
・入ったことのない店に入る
・新しい料理をひとつ試す
・スマホで写真を1枚撮る
・読んだ記事の感想を誰かに話す
・いつもと違う時間に散歩する
このような小さな変化でも、脳にとっては良い刺激になります。
「いつも通り」も安心ですが、少しだけ違うことを入れると、生活に張り合いが出ます。

家族がサポートするときの声かけ
家族がサポートするときは、無理にやらせようとしないことが大切です。
「脳のためにやりなさい」
「それじゃボケるよ」
という言い方は、相手の気持ちを重くしてしまうことがあります。
おすすめは、誘う形の声かけです。

やさしい声かけの例
・「一緒に少し歩いてみようか」
・「今日の散歩で何か見つけた?」
・「その話、もう少し聞かせて」
・「写真を撮ってみる?」
・「感想を一言だけ書いてみる?」
ポイントは、評価しないことです。
上手に話せたか。
正しい感想か。
続けられたか。
そこを厳しく見る必要はありません。
話したこと、考えたこと、外に出したこと自体が大切です。

続けるコツは「小さく、楽しく、誰かと」
脳の健康習慣は、苦しい努力にすると続きません。
おすすめは、次の3つです。

1. 小さく始める
最初は3分でも大丈夫です。
日記も1行で十分です。
「今日は外に出られた」
「新しい道を歩いた」
「家族と話した」
これだけでも、生活に変化が生まれます。

2. 楽しいことに結びつける
好きなカフェ、季節の花、買い物、音楽、写真。
自分が少し楽しいと思えるものと結びつけると続きやすくなります。

3. 誰かに話す
人に話すことで、頭の中が整理されます。
会話は、脳にとって自然なアウトプットです。
家族、友人、地域の仲間、運動教室の仲間。
相手は誰でもかまいません。

注意したいこと
もの忘れが急に増えた。
同じ話を何度もくり返す。
道に迷うことが増えた。
生活に支障が出ている。
このような場合は、無理に自己判断せず、医療機関や専門機関に相談しましょう。
また、運動を始めるときに、強い痛みや息切れ、ふらつきがある場合も無理は禁物です。
脳の健康づくりは、がんばりすぎるものではありません。
安心して続けられる形を見つけることが大切です。

まとめ
数独やパズルは、頭を使う良い習慣です。
ただし、脳の元気を保つためには、それだけでなく、前頭葉を使う行動も大切です。
前頭葉は、やる気、判断、創造性、行動する力に関わります。
そのためには、
「新しいことを少し試す」
「自分の考えを話す」
「感じたことを書く」
「歩きながら発見する」
といったアウトプット習慣が役立ちます。
今日からできることは、小さくて大丈夫です。
いつもと違う道を歩く。
家族に一言話す。
日記を1行だけ書く。
初めての場所に入ってみる。
その小さな一歩が、脳と体の元気を保つきっかけになります。

最近、体力の低下やもの忘れが気になる。
親の健康づくりをどう支えたらいいかわからない。
地域や施設で、無理なく続けられる介護予防の取り組みを始めたい。
そんな方は、まだ早いかなと思う段階でも大丈夫です。
Well Aging Support やわらぎでは、運動だけでなく、生活習慣や脳の健康づくりも含めて、一人ひとりに合った方法を一緒に考えます。
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