「できれば、住み慣れた家で長く暮らしたい」
そう思う方は多いのではないでしょうか。
自宅での暮らしを続けるために大切なのは、特別なことを急に始めることではありません。
毎日の中で少し体を動かすこと。
家の中を安全に整えること。
そして、もしもの時のことを家族と少しずつ話しておくことです。
LIFULL介護の調査では、介護施設への入居のきっかけとしてもっとも多かったのは「歩行・運動機能の低下」で、43.3%でした。
次に多いのは「認知機能の低下」で35.1%です。
つまり、もの忘れだけでなく、足腰の衰えも自宅生活に大きく関わっているということです。

歩く力は「自宅で暮らす力」につながります
歩く力は、ただ移動するためだけの力ではありません。
トイレに行く。
お風呂に入る。
買い物に行く。
病院へ通う。
台所に立つ。
こうした日常の動きの多くは、歩く力や立ち上がる力に支えられています。
足腰が弱くなると、外出が減りやすくなります。
外出が減ると、人と話す機会も減ります。
活動量が少なくなると、体力や気力も落ちやすくなります。
このように、歩行・運動機能の低下は、生活の質にもつながります。
大切なのは、「まだ大丈夫」と思える時期から少しずつ始めることです。
元気なうちの小さな習慣が、将来の自宅生活を支える土台になります。

転倒や骨折は、生活が変わるきっかけになることがあります
高齢になると、筋力やバランス能力は少しずつ低下しやすくなります。
そのため、ちょっとした段差やカーペットの端、玄関の上がりかまちなどでつまずくことがあります。
転倒して骨折すると、入院や安静が必要になることもあります。
安静の期間が長くなると、筋力は落ちやすくなります。
その結果、退院後に以前のように歩くことが難しくなり、自宅生活に不安が出てくる場合があります。
もちろん、転倒したら必ず施設入居になるわけではありません。
ただし、転倒予防は「自宅で暮らし続けるための大事な備え」といえます。

家の中で見直したい場所
まずは、よく通る場所から確認してみましょう。
・床に物を置きっぱなしにしない
・電気コードを通り道に出さない
・玄関や廊下を明るくする
・滑りやすいマットは固定する
・夜中にトイレへ行く道に足元灯を置く
・必要に応じて手すりを検討する
大きなリフォームをしなくても、できることはあります。
「転ばない家」に近づけることは、自宅生活を守る第一歩です。

施設入居は突然やってくることがあります
介護施設への入居は、少しずつ準備してから進むものと思われがちです。
しかし、LIFULL介護の調査では、施設入居前に「自宅で介護していた期間はない」と答えた人が23.5%でした。
これは、入院や急な体力低下などをきっかけに、自宅へ戻ることが難しくなるケースがあることを示しています。
また、施設入居者の71.8%が「要介護2以下」の比較的軽度な段階で入居しているという結果もあります。
重い介護状態になってから施設に入るとは限りません。
まだ比較的元気でも、住環境や家族の状況によっては、自宅生活の継続が難しくなることがあります。
だからこそ、元気なうちから準備しておくことが大切です。

今日からできる歩行・運動機能を守る習慣
運動というと、きつい筋トレや長時間のウォーキングを想像するかもしれません。
でも、介護予防で大切なのは「続けられること」です。
最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。
まずは1日10分の散歩から
外に出られる日は、近所を10分ほど歩くことから始めてみましょう。
目安は、少し体が温まるくらいです。
息が上がりすぎる必要はありません。
慣れてきたら、10分を2回に分けてもよいです。
朝と夕方に分けると、負担が少なく続けやすくなります。

椅子からの立ち上がり運動
歩く力を支えるためには、太ももやお尻の筋肉が大切です。
椅子に座った状態から、ゆっくり立ち上がります。
そして、ゆっくり座ります。
回数の目安は5回から10回です。
不安がある方は、机や手すりにつかまって行いましょう。
膝や腰に痛みがある場合は、無理をしないでください。
痛みが強い場合は、医師や専門職に相談しましょう。

かかとの上げ下げ
ふくらはぎは、歩く時に体を前へ進める力に関わります。
椅子の背もたれや壁につかまり、かかとをゆっくり上げます。
そのあと、ゆっくり下ろします。
目安は10回です。
ふらつきがある方は、必ず何かにつかまって行いましょう。

片足立ちは短い時間で大丈夫
片足立ちは、バランス能力を保つ練習になります。
椅子や壁につかまりながら、片足を少しだけ上げます。
最初は5秒でも十分です。
左右それぞれ1回ずつ行いましょう。
無理に長く立つ必要はありません。
「転ばないこと」が最優先です。

運動を続けるコツは、生活の中に入れること
運動は、気合いだけで続けると疲れてしまいます。
続けるためには、生活の流れに組み込むことが大切です。
たとえば、次のような方法があります。
・朝の歯みがき後に、かかと上げを10回
・テレビCMの間に、立ち上がり運動を5回
・買い物の前に、家の周りを5分歩く
・寝る前に、足首をゆっくり回す
・天気が悪い日は、室内で足踏みをする
ポイントは「いつやるか」を決めておくことです。
毎日できなくても大丈夫です。
できた日を増やす意識で続けていきましょう。

家族がサポートする時の声かけ
親の体力低下が気になる時、つい「運動しないとダメだよ」と言いたくなるかもしれません。
でも、強い言い方をされると、本人は責められたように感じることがあります。
おすすめは、一緒に取り組む声かけです。
「今日は一緒に少し歩こうか」
「買い物ついでに、少し遠回りしてみようか」
「無理しなくていいから、5回だけやってみよう」
「転ばないために、家の中を少し片づけておこうか」
本人の気持ちを尊重しながら、安心できる雰囲気をつくることが大切です。

生前整理も、自宅生活を守る備えのひとつです
自宅で長く暮らすためには、体だけでなく、暮らしの整理も大切です。
LIFULL介護の調査では、生前整理で難しさを感じたものとして、「衣類・生活必需品」が34.3%、「金融資産」が33.7%とされています。
スマートフォンやSNSなどのデジタル関連も約2割を占めています。
いきなり全部を整理しようとすると大変です。
まずは「残すものを選ぶ」という考え方から始めてみましょう。

最初にやりやすい整理
・1年以上着ていない服を確認する
・通帳や保険証書を一ヶ所にまとめる
・利用している銀行や保険の一覧を作る
・スマートフォンやネットサービスのメモを残す
・家族に保管場所だけ伝えておく
大切なのは、完璧に片づけることではありません。
家族が困らないように、少しずつ見える形にしておくことです。

もしもの時の希望を家族と話しておきましょう
介護が必要になった時、どこで暮らしたいのか。
どんな支援を受けたいのか。
施設を考えるなら、どんな場所が安心なのか。
こうした話は、元気な時ほどしやすいものです。
「縁起でもない話」ではなく、「自分らしく暮らすための準備」と考えてみましょう。
家族と話す時は、重くなりすぎないことが大切です。
「もし歩くのが大変になったら、どんな暮らしが安心かな」
「家で暮らすなら、どこを直しておくと安全かな」
「介護が必要になった時、まず誰に相談するか決めておこう」
このような会話から始めると、話しやすくなります。

まとめ
自宅で長く暮らし続けるためには、「歩く力」と「暮らしの備え」の両方が大切です。
LIFULL介護の調査では、介護施設への入居のきっかけとして「歩行・運動機能の低下」が43.3%ともっとも多い結果でした。
さらに、施設入居前に自宅で介護していた期間がない人も23.5%います。
だからこそ、「まだ大丈夫」と思える今から準備することが大切です。
1日10分の散歩。
椅子からの立ち上がり。
かかとの上げ下げ。
家の中の転倒予防。
少しずつの生前整理。
家族との話し合い。
どれも、今日から少しずつ始められることです。
完璧を目指さなくて大丈夫です。
できる日から、できる分だけ。
その小さな積み重ねが、将来の自分らしい暮らしを支えてくれます。

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Well Aging Support やわらぎでは、無理なく続けられる運動や生活習慣づくりを一緒に考えます。
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「まだ早いかな」と思う段階でも大丈夫です。
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無理なく続けられる方法を、生活に合わせて一緒に考えます。


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