男性は女性より突然死が多い?法医学者の視点から考える、今日からできる健康習慣

家族で体調の変化を共有し、早めに相談できる環境を整えることが、これからの健康づくりにつながります。 介護予防
オンラインで医師に相談しながら健康について話し合う夫婦のイメージ

人は誰でも、いつかは人生の終わりを迎えます。

けれど、普段の生活の中で「自分の死」について考えることは、あまり多くないかもしれません。

法医学の現場では、亡くなった方の体を調べることで、死因だけでなく、その人がどのような生活を送ってきたのかが見えてくることがあるといわれています。

今回のテーマは、男性に多い突然死や事故死、そして男女で違いが出やすい病気についてです。

怖がるためではなく、これからの生活を少し見直すきっかけとして、やさしく整理していきます。

男性は女性より突然死や事故死が多いといわれる理由

法医学者の高木徹也氏によると、異状死として扱われるご遺体は、女性より男性のほうが多い傾向があるそうです。

さらに解剖されるケースでは、男性が女性の3倍近くにのぼるとされています。

ここで大切なのは、「男性は危ない」と不安になることではありません。

男性は、生活習慣の乱れや無理をしやすい働き方、外での作業やレジャー中の事故などが重なりやすい面があります。

たとえば、外食が多い、飲酒量が多い、忙しくて受診を後回しにする、暑い日の作業で無理をする。

こうした小さな積み重ねが、突然の体調悪化や事故につながることがあります。

男性に多いとされる死因

男性のご遺体で多くみられるのは、動脈硬化に関係する病気だといわれています。

動脈硬化とは、血管が硬くなったり、狭くなったりする状態のことです。

これが進むと、心筋梗塞や脳梗塞、大動脈の病気などにつながることがあります。

特に注意したい生活習慣は、次のようなものです。

・味の濃い食事が多い
・野菜や魚が少ない
・お酒を飲みすぎる
・運動不足が続いている
・健診結果を放置している
・「少しくらい大丈夫」と受診を後回しにする

もちろん、すべての人に当てはまるわけではありません。

ただ、40代以降は「まだ大丈夫」よりも、「一度確認しておこう」という姿勢が大切になります。

女性も閉経後は動脈硬化に注意が必要

女性は、男性に比べて若い時期は動脈硬化が進みにくいといわれます。

これは女性ホルモンが、血管を守る働きに関係しているためです。

しかし、閉経後は女性ホルモンが減るため、血管の状態が変わりやすくなります。

そのため、60代後半ごろから心疾患や脳血管疾患などに注意が必要になる場合があります。

女性に多い病気も見逃さない

女性では、乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣の病気など、女性特有の病気もあります。

忙しさや恥ずかしさから、受診を後回しにしてしまう方も少なくありません。

しかし、無症状で進む病気もあります。

「痛みがないから大丈夫」と思い込まず、定期的な健診や検診を受けることが、自分の体を守る第一歩になります。

男女ともに大切なのは「小さな違和感を放置しない」こと

突然死や大きな病気を完全に防ぐことはできません。

けれど、日々の小さなサインに気づくことで、早めの対応につながる可能性があります。

たとえば、次のような変化は見過ごさないようにしましょう。

・胸が重い、締めつけられる感じがある
・急に息切れしやすくなった
・片側の手足がしびれる
・ろれつが回りにくい
・歩き方が急にふらつく
・尿が出にくい、夜間のトイレが増えた
・強い疲れが続く
・食欲や体重が急に変わった

こうした症状がある場合は、自己判断せず医療機関に相談することが大切です。

特に胸の痛み、強い息苦しさ、片側の麻痺、意識がぼんやりする場合は、早めの受診や救急相談を考えてください。

かかりつけ医は「2人以上」持つという考え方

高木氏は、かかりつけ医を2人以上持つことをすすめています。

理由は、医師によって専門分野や見方が違うからです。

同じ症状でも、内科の先生、整形外科の先生、耳鼻科の先生、皮膚科の先生では、見る角度が変わります。

これは「どの先生が正しいか」を比べるためではありません。

違う視点から体を見てもらうことで、病気の見落としを減らすためです。

おすすめは内科系と外科系を1人ずつ

かかりつけ医を考えるときは、内科系の先生と、外科系の先生を1人ずつ持つと安心です。

たとえば、

・内科と整形外科
・内科と耳鼻科
・内科と皮膚科
・神経内科と整形外科

このように、専門が違う先生がいると、相談できる幅が広がります。

特に高齢になると、ひとつの症状にいくつもの原因が関係していることがあります。

「腰が痛い」だけでも、筋力低下、骨の問題、内臓の病気、神経の問題など、さまざまな可能性があります。

複数の視点を持つことは、自分の体を守る大きな助けになります。

かかりつけ医は「歩いて行ける場所」が理想

かかりつけ医選びでもう一つ大切なのが、通いやすさです。

どれだけ評判のよい病院でも、具合が悪いときに遠くまで行くのは大変です。

特に高齢の方や、車を運転しない方にとっては、距離の近さはとても重要です。

目安としては、

・徒歩で行ける
・家族が付き添いやすい
・公共交通機関で行きやすい
・予約や相談がしやすい
・話を聞いてくれる雰囲気がある

このような点を見るとよいでしょう。

「大きな病院に行くほどではないけれど、少し気になる」

そんなときに気軽に相談できる場所があるだけで、安心感は大きく変わります。

今日からできる突然死予防のための生活習慣

難しいことを一気に始める必要はありません。

まずは、できることを少しずつで大丈夫です。

1日10分でも歩く

ウォーキングは、血流や心肺機能、筋力維持に役立つ身近な運動です。

最初は1日10分でもかまいません。

慣れてきたら、少しだけ早歩きを入れるとよいでしょう。

息が弾むけれど会話はできるくらいが目安です。

食事は「減らす」より「足す」から始める

食生活を見直すときは、いきなり我慢ばかりにしないことが続けるコツです。

まずは、

・野菜を一品足す
・味噌汁に具を増やす
・魚や大豆製品を選ぶ日を作る
・夜遅い食事を少し軽めにする

このくらいから始めてみましょう。

健診結果をしまい込まない

健康診断は、受けるだけで終わらせないことが大切です。

血圧、血糖、脂質、肝機能、腎機能などの数値は、今の体の状態を知るヒントになります。

気になる項目があれば、自己判断せず医師に相談しましょう。

家族の声かけは責めないことが大切

家族に健康を気にしてほしいとき、つい強い言い方になってしまうことがあります。

でも、「病院に行きなさい」と言われると、かえって動きにくくなる人もいます。

おすすめは、やわらかい声かけです。

「最近ちょっと疲れやすそうだけど、一回相談してみる?」
「一緒に健診結果を見てみようか」
「近くで通いやすい病院を探してみようか」

責めるより、伴走する。

この姿勢が、健康づくりを続ける力になります。

まとめ

男性は女性より突然死や事故死として扱われるケースが多いといわれています。

その背景には、動脈硬化につながる生活習慣、無理をしやすい行動、受診の遅れなどが関係している可能性があります。

一方で、女性も閉経後は血管の変化に注意が必要です。

また、男女それぞれに気をつけたい病気もあります。

大切なのは、怖がりすぎることではありません。

小さな違和感を放置しないこと。
健診を受けっぱなしにしないこと。
歩いて行けるかかりつけ医を持つこと。
そして、できる範囲で生活習慣を整えることです。

健康づくりは、特別なことを完璧に続けることではありません。

今日の10分の散歩、野菜を一品足すこと、健診結果を見直すこと。

その小さな積み重ねが、これからの暮らしを守る力になります。

最近、体力の低下や健康診断の結果が気になっている方へ。

「まだ相談するほどではないかな」と思う段階でも、早めに生活を見直すことは大切です。

Well Aging Support やわらぎでは、京都市周辺で介護予防や健康づくりを始めたい方に向けて、無理なく続けられる運動や生活習慣の見直しを一緒に考えています。

ご本人だけでなく、ご家族、施設、地域団体からのご相談も受け付けています。

親の体力低下が気になる方、健康づくりを何から始めたらよいかわからない方も、まずは気軽にご相談ください。

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