「最近、もの忘れが増えた気がする」
「親の認知症が心配」
「将来、自分の脳の健康を守りたい」
そう感じたとき、多くの方は脳トレや運動を思い浮かべるかもしれません。
もちろん、それも大切です。
ただ、見落とされやすいのが「血糖値の乱れ」です。
血糖値とは、血液の中にある糖の量のことです。
食事をすると血糖値は上がり、体はそれを下げるために「インスリン」というホルモンを出します。
この働きが長い間乱れてくると、体だけでなく、脳にも負担がかかる可能性があるといわれています。
今回は、認知症予防の視点から「糖のとり方」と「脳の健康」について、やさしくお伝えします。
認知症予防で気をつけたい「血糖値の乱れ」
認知症というと、年齢や遺伝の影響が大きいと思われがちです。
たしかに、年齢や体質の影響はあります。
けれど、生活習慣も関係していると考えられています。
そのひとつが、血糖値の乱れです。
甘いものや白いご飯、パン、麺類などを一度にたくさん食べると、血糖値が急に上がりやすくなります。
すると体は、血糖値を下げるためにインスリンをたくさん出します。
この状態が長く続くと、体がインスリンに反応しにくくなったり、インスリンを出す力が弱くなったりすることがあります。
これが続くと、糖尿病や動脈硬化などのリスクにもつながります。
そして、脳の血流や神経の働きにも影響する可能性があります。
なぜ血糖値の乱れが脳に関係するの?
脳は、体の中でもたくさんのエネルギーを使う場所です。
そのため、血糖や血流の状態に影響を受けやすいと考えられています。
血糖値が高い状態が続くと、血管に負担がかかります。
血管は、脳へ酸素や栄養を運ぶ大切な通り道です。
この通り道が傷みやすくなると、脳に必要な栄養が届きにくくなることがあります。
また、高血糖の状態は、体の中で小さな炎症を起こしやすくするともいわれています。
炎症とは、体の中で起きる「小さな火事」のようなものです。
強い炎症ではなくても、長く続くと体にじわじわ負担がかかります。
脳にとっても、よい状態とはいえません。
放っておくと起こりやすい困りごと
血糖値の乱れは、すぐに自覚しにくいことがあります。
「まだ大丈夫」
「健康診断で少し高いだけ」
「甘いものを食べても動けている」
そう思っているうちに、少しずつ体の中で負担が積み重なることがあります。
たとえば、次のような変化につながる可能性があります。
・疲れやすくなる
・食後に眠くなりやすい
・体重が増えやすい
・歩くのがおっくうになる
・血管や内臓に負担がかかる
・生活習慣病のリスクが高まる
・脳の健康にも影響する可能性がある
もちろん、これらがすべて認知症につながるわけではありません。
ただ、介護予防の視点では「体の元気」と「脳の元気」はつながっています。
体を動かしにくくなると、外出や人との交流も減りやすくなります。
すると、さらに体力や気力が落ちることもあります。
だからこそ、早めに小さな習慣を整えることが大切です。
今日からできる血糖値を乱しにくい工夫
難しい食事制限をいきなり始める必要はありません。
まずは、できることをひとつだけ選んでみましょう。
1. 食べる順番を変える
食事の最初に、野菜、海藻、きのこ、たんぱく質を食べるようにします。
たとえば、
野菜のおかず
味噌汁
魚や卵、豆腐、肉のおかず
ご飯
このような順番です。
ご飯や麺を最初にたくさん食べるよりも、血糖値の急な上がり方をゆるやかにしやすいといわれています。
2. 甘い飲み物を毎日の習慣にしない
ジュース、甘いカフェラテ、スポーツドリンク、加糖の缶コーヒーなどは、思った以上に糖が入っていることがあります。
毎日飲んでいる場合は、まず回数を減らすだけでも一歩です。
水、お茶、無糖のコーヒーなどに少しずつ置き換えていきましょう。
3. 食後に軽く動く
食後すぐに激しい運動をする必要はありません。
食後10〜15分ほど、ゆっくり歩く。
家の中で片づけをする。
軽く足踏みをする。
それだけでも、体が糖を使いやすくなる助けになります。
高齢の方は、転倒に注意しながら行いましょう。
ふらつきがある方は、椅子や手すりの近くで行うと安心です。
4. 主食を減らしすぎず「量と組み合わせ」を見る
ご飯やパンを完全にやめる必要はありません。
大切なのは、量と組み合わせです。
ご飯だけで済ませるよりも、たんぱく質や野菜を一緒にとる。
大盛りを普通盛りにする。
夜だけ少し控えめにする。
このくらいからで大丈夫です。
無理な糖質制限は、体力低下や栄養不足につながることもあります。
持病がある方は、医師や管理栄養士に相談しながら進めましょう。
高齢者でも始めやすい運動の目安
血糖値を整えるためには、運動も大切です。
目安は、週に3〜5回。
1回10〜20分くらいからでも十分です。
おすすめは、次のような運動です。
・ゆっくり散歩
・椅子に座って足踏み
・かかとの上げ下げ
・軽いスクワット
・肩甲骨を動かす体操
・無理のないストレッチ
大切なのは、きつい運動をすることではありません。
「少し体が温まった」
「気持ちよく動けた」
「また明日もできそう」
このくらいが続けやすい目安です。
痛みや息切れ、胸の苦しさがある場合は無理をしないでください。
不安がある方は、医療機関に相談しましょう。
家族がサポートするときの声かけ
親の食事や運動が気になると、つい強く言いたくなることがあります。
「甘いもの食べすぎ」
「もっと歩かないとダメ」
「その生活じゃ危ないよ」
このように言われると、本人は責められたように感じてしまうことがあります。
おすすめは、やわらかい声かけです。
「一緒に少し歩こうか」
「食後にお茶を飲みながら片づけよう」
「今日は野菜のおかずを先に食べてみよう」
「無理しなくていいから、できる分だけやってみよう」
大切なのは、正しさを押しつけることではありません。
本人が「これならできそう」と思える形にすることです。
続けるコツは「完璧を目指さない」こと
健康づくりは、毎日完璧にできなくても大丈夫です。
甘いものを食べる日があってもいいです。
運動できない日があってもいいです。
大切なのは、やめてしまわないことです。
昨日できなかったら、今日少しやる。
今日できなかったら、明日また始める。
そのくらいの気持ちで続けるほうが、長く続きます。
認知症予防は、特別なことを一気に始めるよりも、毎日の小さな積み重ねが大切です。
食事、運動、睡眠、人との交流。
この4つを少しずつ整えていくことが、脳と体を守る土台になります。
まとめ
血糖値の乱れは、体だけでなく脳の健康にも関係すると考えられています。
糖を完全に避ける必要はありません。
けれど、甘い飲み物や食べすぎ、運動不足が続くと、体の中では少しずつ負担が積み重なることがあります。
今日からできることは、難しくありません。
野菜やたんぱく質から食べる。
甘い飲み物を少し減らす。
食後に10分ほど歩く。
無理のない運動を続ける。
この小さな一歩が、将来の体力や認知機能、生活の質を守ることにつながります。
京都市周辺で、介護予防や健康づくりを始めたい方へ。
Well Aging Support やわらぎでは、運動だけでなく、日々の生活習慣も含めて、無理なく続けられる方法を一緒に考えています。
「まだ相談するほどではないかも」と思う段階でも大丈夫です。
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Well Aging Support やわらぎでは、京都市周辺で、介護予防運動や健康づくりのサポートを行っています。
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