本を読む習慣が脳を守る?認知症予防に役立つ「やさしい読書習慣」

本を読みながら脳の健康づくりに取り組む高齢女性 健康づくり・生活習慣
読書は、無理なく始められる脳の健康習慣のひとつです。

「最近、もの忘れが増えた気がする」
「認知症予防のために、何か始めた方がいいのかな」

そう感じることはありませんか?

認知症予防というと、運動や食事を思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん、それらはとても大切です。

でも実は、本を読むことも脳に良い習慣として注目されています。

2022年に医学誌『Neurology』に掲載された研究では、読書やゲーム、楽器演奏などの知的な余暇活動をしている人は、認知症やアルツハイマー病のリスクが低い傾向にあることが報告されています。対象は38件の研究、約215万人分のデータです。

難しい本をたくさん読む必要はありません。
大切なのは、脳にやさしく刺激を入れることです。

読書が脳に良いといわれる理由

本を読むとき、私たちの脳は思っている以上に働いています。

文字を目で追う。
内容を理解する。
登場人物や場面を想像する。
前に読んだ内容を思い出す。

このように、読書は脳のいろいろな場所を同時に使う活動です。

特に、記憶や理解、想像力に関わる働きが使われます。
そのため、読書は「脳の体操」のような役割を持つと考えられています。

また、2024年のLancet委員会報告では、認知症の一部は生活習慣の見直しによって予防または遅らせられる可能性があるとされています。認知症リスクの約45%が、改善できる生活要因に関わる可能性があると報告されています。

つまり、脳の健康づくりは「特別なこと」だけではありません。
日々の小さな習慣の積み重ねが大切です。

読書と記憶力・認知機能の関係

年齢とともに、名前が出てこない、予定を忘れやすい、言葉がすぐに浮かばない。
こうした変化を感じることがあります。

もちろん、すべてが認知症のサインとは限りません。
疲れや睡眠不足、ストレスでも起こります。

ただ、脳を使う機会が少なくなると、考える力や思い出す力が弱くなりやすいことがあります。

読書は、内容を理解しながら記憶を使う活動です。
さらに、読んだ内容を誰かに話したり、短くメモしたりすると、記憶を引き出す力も使われます。

読むだけで終わらず、少しだけ「思い出して言葉にする」。
これが、脳への良い刺激になります。

どのくらいやればいい?

最初から長時間読む必要はありません。

おすすめは、1日5分〜10分です。
ページ数でいえば、1〜3ページでも十分です。

「毎日30分読まなければ」と考えると、続けるのが大変になります。
それよりも、短くても続けることを大切にしましょう。

たとえば、

  • 朝のコーヒーのあとに5分読む
  • 昼休みに1ページだけ読む
  • 寝る前に数ページ読む
  • 新聞や雑誌の短い記事を読む

このくらいで大丈夫です。

読書は、量よりも習慣です。
「今日も少し読めた」と思えることが、続ける力になります。

高齢者でも始めやすい工夫

読書が苦手な方や、目が疲れやすい方もいます。
その場合は、無理に分厚い本を読む必要はありません。

始めやすい方法としては、

  • 文字が大きい本を選ぶ
  • 短いエッセイや健康記事を読む
  • 図や写真が多い本を選ぶ
  • 音声読み上げやオーディオブックを使う
  • 家族と一緒に新聞記事を読む

などがあります。

「読書」と聞くと、本格的な小説や専門書を想像するかもしれません。
でも、脳への刺激という意味では、興味を持って読めるものが一番です。

料理、旅行、健康、歴史、趣味の本。
好きな内容から始めて大丈夫です。

やる時の注意点

読書は良い習慣ですが、無理をすると続きません。

目が疲れるときは、休みながら読みましょう。
暗い部屋で読むと目に負担がかかるため、明るい場所で読むことも大切です。

また、寝る直前にスマホで長く読むと、眠りにくくなることがあります。
夜に読む場合は、紙の本や明るさを落とした画面がおすすめです。

「読まなきゃ」と義務にしないことも大切です。
認知症予防は、がんばりすぎるより、心地よく続けることが大切です。

無理なく続けるコツ

読書を続けるコツは、生活の中に置いておくことです。

本を机の上に置く。
バッグに薄い本を入れておく。
スマホに読みたい記事を保存しておく。

目に入る場所にあると、自然と手に取りやすくなります。

もう一つおすすめなのが、読んだ内容を一言だけメモすることです。

「今日は睡眠の記事を読んだ」
「水分補給が大事だとわかった」
「この言葉が印象に残った」

これだけで十分です。

読む、思い出す、言葉にする。
この流れが、脳にとって良い刺激になります。

読書だけでなく、体を動かすことも大切

読書は脳への良い刺激になります。
ただし、認知症予防や健康づくりは、読書だけで完結するものではありません。

体を動かすこと。
人と話すこと。
よく眠ること。
栄養をとること。
外に出て季節を感じること。

これらも、脳と体を守る大切な習慣です。

特に介護予防では、脳と体を分けて考えすぎないことが大切です。
足腰が弱ると外出が減り、人との会話も減りやすくなります。
すると、脳への刺激も少なくなってしまいます。

だからこそ、読書のような知的活動と、無理のない運動を組み合わせることが理想です。

まとめ

本を読むことは、脳にやさしい刺激を与える習慣です。

研究でも、読書やゲーム、楽器演奏などの知的な活動をしている人は、認知症やアルツハイマー病のリスクが低い傾向にあることが報告されています。

大切なのは、難しい本をたくさん読むことではありません。

1日5分でもいい。
1ページでもいい。
読んだことを一言メモするだけでもいい。

小さく始めて、無理なく続けることが、脳と体の健康づくりにつながります。

「最近、もの忘れが気になる」
「何か始めたいけれど、何から始めればいいかわからない」

そんな方は、まず今日から1ページ読んでみませんか。
脳を守る一歩は、身近な習慣から始められます。

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