最近、血圧が気になるようになった。
体力の低下を感じるようになった。
そんな方にとって、激しい運動を続けるのはなかなか大変です。
「健康のためには走らないといけないのでは?」と思う方も多いかもしれません。
ですが近年、体を大きく動かさない運動でも、血圧の改善が期待できることがわかってきました。
そのひとつが、壁にもたれて姿勢を保つ「空気イス」です。
見た目は地味ですが、続けやすく、特別な道具もいりません。
今回は、空気イスが高血圧対策として注目されている理由を、やさしくわかりやすく紹介します。
介護予防の視点もまじえながら、無理なく始めるコツもお伝えします。
空気イスが高血圧対策で注目されている理由
空気イスは、壁に背中をつけて、イスに座るような姿勢を保つ運動です。
体を大きく動かさず、筋肉にじんわり力を入れ続けるのが特徴です。
このような運動は「アイソメトリック運動」と呼ばれます。
難しく聞こえますが、簡単にいうと動かずに筋肉を使う運動です。
研究では、いろいろな運動を比べたところ、空気イスのような動かない運動が、血圧を下げるうえで特に有力な方法のひとつと考えられました。
もちろん、ウォーキングや軽い体操も健康づくりには大切です。
ただ、時間がない方や、激しい運動が苦手な方にとっては、空気イスは始めやすい選択肢になりそうです。
なぜ空気イスで血圧によい変化が期待できるの?
空気イスでは、太ももやおしりの筋肉にしっかり力が入ります。
そのあいだ、筋肉のまわりの血管は一時的にぎゅっと圧迫されます。
そして姿勢をゆるめたときに、血液がふわっと流れやすくなります。
このくり返しが血管によい刺激になり、血液の流れを助ける働きにつながるのではないかと考えられています。
高血圧は、心臓だけの問題ではありません。
血液が通る血管がかたくなると、血圧は上がりやすくなります。
そのため、血管のしなやかさを保つことはとても大切です。
空気イスのような運動は、こうした面からも役立つ可能性があります。
高血圧対策は介護予防にもつながります
血圧が高い状態が続くと、心臓や血管に負担がかかります。
それだけでなく、脳の血管にも影響しやすくなります。
年齢を重ねると、転倒や体力低下だけでなく、脳の健康を守ることも大切になります。
血圧を整えることは、毎日の元気を保つための土台づくりといえます。
血圧を整えることが脳の健康にもつながる理由
脳はたくさんの血液を必要とする器官です。
血流が安定していることは、脳が働きやすい環境づくりに役立ちます。
高血圧が続くと、脳の細い血管に負担がかかりやすくなります。
そのため、日ごろから血圧を整える生活は、記憶力や認知機能の低下を防ぐためにも大切だと考えられています。
空気イスそのものが直接もの忘れを改善すると言い切ることはできません。
ただ、血圧管理や下半身の筋力維持は、脳と体の健康を支える基本になります。
下半身を使うことは日常動作の安心にもつながる
空気イスでは、太ももやおしりまわりを使います。
この部分の筋肉は、立つ・座る・歩くといった毎日の動作に欠かせません。
足腰が弱ると、外出が減りやすくなります。
人と会う機会や歩く機会が減ると、心と体の元気も落ちやすくなります。
無理のない範囲で下半身を使う習慣をもつことは、介護予防の面でも大切です。
空気イスはどのくらいやればよい?
目安としては、20秒〜30秒を1回から始めるのがおすすめです。
慣れてきたら、30秒〜1分を2〜4回ほどに増やしていきます。
研究では、2分ほどの姿勢保持を数回、週3回ほど行う方法も使われています。
ただ、最初からそこまで頑張る必要はありません。
大切なのは、きつすぎてやめてしまわないことです。
「これなら続けられそう」と思える量から始めましょう。
やり方の基本
- 壁に背中をつけて立ちます。
- 足を少し前に出します。
- ゆっくりひざを曲げて、イスに座るような姿勢をとります。
- 痛みがない範囲で、その姿勢をキープします。
- 苦しくなる前にゆっくり戻します。
ひざを深く曲げすぎなくても大丈夫です。
まずは安全第一で行いましょう。
空気イスをするときの注意点
高血圧がある方でも、運動がまったくできないわけではありません。
ただし、次のような点には気をつけたいです。
息を止めない
力を入れると、つい息を止めてしまう方がいます。
息こらえは血圧を急に上げやすいため、自然な呼吸を続けることが大切です。
痛みがあるときは無理をしない
ひざや股関節、腰に痛みがある場合は、無理に続けないようにしましょう。
深くしゃがまず、浅めの姿勢でも十分です。
ふらつきや強い違和感があれば中止する
めまい、胸の痛み、強い息苦しさがあるときは、すぐにやめてください。
持病がある方や治療中の方は、主治医に相談してから始めると安心です。
高齢者でも始めやすい工夫
空気イスは、少し工夫するだけで取り入れやすくなります。
最初は浅めでOK
深く腰を落とすと負担が大きくなります。
はじめは「少しひざを曲げる」くらいでも十分です。
10秒から始めても大丈夫
最初から長くやる必要はありません。
10秒を2回でも、やらないより一歩前進です。
時間を決めて習慣にする
歯みがきの前、テレビCMのあいだ、朝の支度の前など、毎日の流れに入れると続けやすくなります。
無理なく続けるコツ
健康づくりは、がんばりすぎると続きません。
だからこそ、やさしく続ける工夫が大切です。
- 完璧を目指さない
- できた日を丸つけする
- 週2〜3回から始める
- ウォーキングや深呼吸と組み合わせる
「今日は20秒できた」
それだけでも立派な積み重ねです。
体調に合わせて続けることが、将来の元気につながります。
こんな方は一度相談しながら始めるのがおすすめです
次のような方は、自己流でがんばりすぎないことが大切です。
- 血圧がかなり高いと言われている方
- ひざや腰に不安がある方
- 運動が久しぶりの方
- 何をどのくらいやればよいか迷う方
自分に合った運動量がわかると、安心して続けやすくなります。
無理なく続けるためには、体の状態に合った方法を選ぶことが大切です。
まとめ
空気イスは、体を大きく動かさなくても取り入れやすい運動です。
高血圧対策として注目されており、足腰の筋力維持にもつながります。
血圧を整えることは、心臓や血管だけでなく、脳の健康を守るうえでも大切です。
もの忘れや体力低下が気になり始めた方にとって、毎日の小さな習慣は大きな支えになります。
「激しい運動は苦手だけど、何か始めたい」
そんな方こそ、まずは短い時間の空気イスから始めてみてはいかがでしょうか。
やわらぎ介護予防サポートでは、体力や体調に合わせた無理のない運動のご相談を行っています。
ひとりでは続けにくい方、やり方が合っているか不安な方も、お気軽にご相談ください。
あなたに合った健康づくりを、一緒に見つけていきましょう。
血圧が気になるけれど、何から始めればいいかわからない。
そんな方は、まずは無理のない運動から始めてみませんか?
やわらぎ介護予防サポートでは、体力や体調に合わせた健康づくりのご相談を行っています。
「これならできそう」と思える方法を、一緒に見つけていきます。
高齢のご家族の健康づくりが気になる方も、お気軽にお問い合わせください。


コメント